株式会社甲人

コウジン

[業種]大分類:その他 小分類:がん具・運動用具製造業

会社紹介 PICKUP特集

実物にこだわり、鎧兜の造形美を再現する

お節句を祝う鎧兜を、実物にこだわって制作



株式会社甲人(こうじん)は、美術的で精緻な鎧兜の制作・販売を行っているほか、また鎧兜の縅(おどし=組み紐)の技法と意匠を凝らした装飾品群等の制作にも取り組んでいます。
同社が制作する鎧兜は、その美しさの鑑賞に適した全高40〜50cmの寸法で、平安時代後期から鎌倉時代に固有の“大鎧兜”の制作手法に倣ったものです。今日に残されている大鎧兜は主に名だたる武将が纏った品で、戦陣における正装として士気と威厳を高めるための豊かで鮮やかな色彩と装飾を具えるとともに、刀や矢を防御しつつ機敏な動きを見せるという機能美を併せ持っています。同社の制作する鎧兜は、これを忠実に再現するもので鑑賞の品としても高い評価を得ています。



甲人(こうじん)の社名にある“甲”は即ち“鎧”を意味し、“鎧づくりこそが我が生業”と宣する固い志が込められています。先々代が甲冑作家の号とした「力石 甲人 (ちからいし こうじん)」と「力石 鎧秀 (ちからいし がいしゅう)」も、“鎧”に対する強い想いが込められたものです。
明治30年に始まった鎧兜作りも現在5代目となっていますが、同社の作品は国宝として残っている大鎧兜を忠実に再現するもので、どんなに作成困難な部品もすべて手作りに徹する姿勢は、細部にわたるこだわりの深さを物語っています。さらに、目にすることのできない大鎧兜の裏側や内部も当時の技法を調べて、忠実な再現に至る可能な限りの作り込みを続けてきました。
組み紐部分は紐にする前の糸一本ずつを先に染めて鮮やかな発色にこだわり、すべての飾り金物は自前の彫金型で鋳込んだもので、仕上げの多層鍍金による鮮やかな輝りと高い防錆性を与えています。
兜の前側の眉庇(まびさし)や顔の両側の吹返しと鎧の胴部分や大袖の化粧板には鹿皮を使用しています。鹿皮は木目細かさと優れた通気性を備え、耐久性が永く保持されることから、国宝の鎧兜にも同様の使用例が多く認められるそうです。この胴部分には、不動明王二童子像や獅子に牡丹など魔除けの絵柄が7枚の刷り型を使って緻密に表現されており、ここにも細部にわたるこだわりを感じ取ることができます。





同社の鎧兜は、お子様方の成長を願うお節句の飾り品として制作されている事は勿論ですが、さらに、一年を通して鑑賞が可能な伝承の技による美術工芸品ということができます。
また、同社は近年、鎧兜の組み紐の技法や鹿革による日本の伝統美を表現した「よろいてもと(鎧手許)」(服飾品のバッグ)や、手紙や保存書類を入れる文箱なども制作販売しています。

100年を超える歴史を経て再現される伝承の技

  • 123年の歴史

    明治30年(1897年)、5代前に鎧兜づくりを創業して123年が経ちます。古来の伝承の技を引き継ぎ、平安・鎌倉・室町・安土桃山の文化を今に伝えています。

  • 忠実な再現へのこだわり

    国宝の鎧兜を忠実に再現するため、当時の技法、材料、加工法を絶えず研究し、細部まですべて実物に倣った制作にこだわっています。

  • 新商品への取り組み

    鎧兜制作の追求で得られた組み紐や鹿皮の技法を生かし、バッグや現代工芸品など、世界に注目される新商品の開発に取り組んでいます。

手作りにより国宝の大鎧兜を忠実に再現した細部に亘るこだわり

「私は16歳から鎧づくりをやっていますが、国宝の鎧をお手本とさせて頂くため、父と共に四国から青森まで、所蔵している神社や博物館をすべて巡りました」
先代甲人さんは、平安時代・鎌倉時代を中心に現存する大鎧の国宝は17領程で、神社や博物館に所蔵の実物をつぶさに観察し“実物”に忠実な鎧兜づくりを目指し、しばらくして長女誕生の際には娘と鎧兜への想いを込めて’甲世(かつよ)’と名付けた後、更には新聞社の依頼で武蔵御嶽神社(青梅市)所蔵の国宝・「赤糸威鎧」(あかいとおどしよろい)の取材協力したこともあったと言います。



「今では私どもは東京で数少ない古い鎧兜制作者になっています。すべて手作りする所は今ではあまりないように聞いておりますし、制作者や問屋さんにも鎧について知る人も少なくなってしまいました」
と先代甲人さんは、伝統的な手作りから離れて、手間を惜しんで安易な製造法に頼りがちな現在の状況を残念がります。一品一品手間を掛けても忠実な再現を心掛けたいと考えているのです。
価値ある日本の文化を後世につなぐことを使命と考え、だからこそ鎧兜作りにこだわり続けていくという信念が感じられます。

日本古来の鎧兜の造形美を世界へ広めていきたい

現社長・甲世(かつよ)さんも、父である先代甲人・鎧秀さんに30年以上師事し、厳格な指導を受けて自らの技量を磨くとともに、鎧兜への真摯な想いを受け継いで平成30年に5代目「力石 甲人」を襲名し、女性甲冑作家の地位を確立しました。
「精進を欠かさずに手作りによる鎧兜の伝統を忠実に継承して、美しく誇り高い日本文化を内外に発信していくことが当社の役目だと思っています」
と話す女性甲冑師・甲世さんは、伝統の忠実な継承の役目を果たすために、新しい展開やそれを具現化した製品が不可欠と30年前から考えていたと言います。
既に試作は平成元年から始めており、更に社長就任後第1作目として自ら企画デザインした組み紐と鹿革によるバッグを商品化しており、本品の前・背面に鎧の組み紐で鮮やかに編み込まれた列が配されています。



「日々取り組んでいる日本古来の鎧兜に由来する優れた意匠やその表現を、鎧兜の枠を超えて、各種の装飾品や現代工芸品などの様々な形で世界に発信していこうと考えています」
この様に、甲世さんは今後の新たな成長も展望しています。バッグに続き、組み紐の装飾や彫金金物を施した文箱を商品化していますが、更なる新たなニーズを発掘し、ニーズに合わせて鎧兜の造形美を生かした商品を開発し発信できることが、同社の新しい強みになると見ています。
「日本の鎧兜の美しさは海外からの関心や評価には特別なものがあります。今後は海外での認知度向上にも力を入れて、日本への理解を深めていただくことで社会に貢献したいと思いますし、世界に通用する新商品でブランドを育てていくべきと思っています」 と、甲世さんは将来ビジョンについても明確に力強く語っています。

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