Koji Endo Bottier

コウジエンドウボッティエ

[業種]大分類:卸売業,小売業 中分類:織物・衣服・身の回り品小売業 小分類:靴・履物小売業

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“色気”のある伝統のラインを追うフルオーダーの靴工房

木型作りからの手作りでフルオーダーメイドの靴を製作



Koji Endo Bottier(コウジ エンドウ ボティエ)は、遠藤光志さんが2018年8月に本所に開いたビスポークシューズの工房です。ボティエとはフランス語の「bottier」、靴メーカーの意味です。また、ビスポークには“誂えの”とか“注文の”といった意味があり、ビスポークシューズは「フルオーダーの靴」という意味になります。ビスポーク一語だけでも「注文靴」として通じます。いまこのビスポークが愛好家を増やしています。
身につけるもので自分らしさを表現したいという方が、多少お金をかけても自分好みのデザインで完全にオリジナルな靴を作りたいと考えています。まさに、オシャレは足元からということです。
Koji Endo Bottierは、小さな間口にそんな方たちの期待に応えるプロフェッショナルな雰囲気を漂わせています。思わず見入ってしまいそうなサンプルシューズを並べた棚の向こう側には、作業道具に囲まれて遠藤さんが座っています。



同工房での新規の注文受付はインターネットからが中心ですが、お客様ごとに木型を製作するころから始めてすべてが手作りですので、完成までには10か月程度かかります。製作工程は以下のような感じです。
まずは足の計測。サイズや甲の周囲など何カ所も測ります。機械計測のところもありますが、遠藤さんはお客様の生活環境も聞き出しながら手で測っていきます。
この計測を元に木型の削り出しに入ります。色々な刃物を使いますが、最初の大削りに使うのは、端を支点にして押し削る長いナタ。フランスの蚤の市で友人が探し出してくれた伝来の靴職人用具です。
次に木型に貼り付けたシートを元に型紙を作り、ソールとアッパー(甲革)など革のパーツの裁断をして、いよいよ形づくりの縫製へと進みます。ただし、この段階ではまだ仮縫いで、仕上がったところでお客様に2週間ほど試着してもらいます。試着後お客様からフィット感を聞き、靴の状態も調べて調整点を出して本番製作に入ります。





遠藤さんのつくる靴は、フランスの伝統的デザインをベースに、力強さと繊細な美しさが共存しているラインを見せるのが魅力です。主にハンドソーン・ウェルテッド製法という伝統的な手作り製法を用いますが、その靴は底革と甲革が一針一針しっかりと縫い付けられて耐久性が良く、履き始めからジャストフィットして履き心地が軽いという特徴があります。それだけに作るのに時間がかかり、高い技術も必要な製法と言えるのだそうです。



ビスポークの原点を守るオールハンドメード

  • 全工程がハンドメード

    全工程を一人で手作りしています。底と甲革を機械で縫う製法もありますが、当工房は一針ずつ手で縫い、丈夫で美しい縫い糸ラインに仕上げます。

  • お客さまとの対話が基本

    ビスポークは“bespoke”。元々「話(注文)を聞く」という意味があります。お客様との対話こそ、良い靴を作るための原点と考えています。

  • 色気のあるラインを創る

    ビスポーク職人に求められるのは技術だけではなく、美しいラインを創り出す感性が重要と考えます。“色気”のあるラインを目指しています。

伝統を受け継ぎ、美しいラインを追求する靴作り

「若い頃ロックバンドをやっていて、生活のために靴修理ショップでアルバイトをしたのがはじまり」
と話す遠藤さん。そこでリペア職人として働くうちに自分の靴を作りたいと思うようになり、ビスポーク職人を目指したと言います。浅草にある靴作りの学校に通い、フランスでビスポークを学びたいとフランス語を勉強し、ようやく連絡の取れた靴作家アントニー・デロスさんの工房へ渡ります。そこで知ったのが“ライン”でした。
「日本では足を採寸して数字で靴を作りますが、フランスではラインが命です。そのラインは美しいと思うか?とアントニーからいつも言われました。習得するのは難しいことでした」
と遠藤さんは振り返ります。ヴィンテージの靴を見て回って学び、美しいラインには“色気”があると知ったとも言います。
フランスの工房で働けたのはビザの関係で僅か3ヶ月間でした、再びフランスへ戻る予定でしたが生活環境が変わり断念しました。その後アントニーさんがある靴ブランドの日本のビスポーク部門の担当となり、日本でも教えを乞う機会を得られたと言います。



帰国した遠藤さんは目黒にリペア&ビスポークのお店を出し、多くのお客様から高い評判を獲得します。その後勉強のために一旦お店を休み、2018年8月に現在のビスポーク専門の工房を開いたのです。 「ここは、下が工房で2階が住まいにできる理想的なところでした。この辺りは革を仕入れるのにも便利なのです」(遠藤さん)
墨田区には昔から皮革を扱う問屋が多くあり、遠藤さんも以前から材料の革を買いに来ていました。 「問屋さんにいろいろ相談に乗ってもらっています。主に牛革ですが、きめが細かいのでフランスから輸入されたものをよく使っています。注文があればクロコダイル革の靴も作りますよ」
と言いますが、最近革の値段が上がっているのが悩みだそうです。

より多くの人にオーダーメイドの良さを伝えたい

こうしてKoji Endo Bottierが本所でスタートを切って1年、目黒時代からのお客様も含めて、遠藤さんの丁寧な仕事と、フレンチテイストで醸し出す美しいラインはファンをつかみはじめています。
「大事にしているのは、お客様と話しをしてお客様を知ることです。ビスポーク(bespoke)の原点です。そして、その時の技術を1足に込めること。ぴったり合う靴は、履いた時にポッと空気の抜ける音がするのです」(遠藤さん)
対話しながら形にしていくのがビスポークの靴作りです。



そして、工房の今後についてはこう述べます。
「ビスポークだけでなく、今後は、お客様がよりお求めやすいパターンで作成するものもやっていきたいと思っています」
多くのモデル木型を用意してお客様に一番近いものを選び、既成のパターンやデザイン、革の色などを選んでもらって希望の靴を作る、いわばセミオーダーです。ビスポークを中心にしながら、より多くの人にオーダーメイドシューズの良さを届けたいと遠藤さんは考えています。

動画で見る「Koji Endo Bottier」

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連絡先

住所〒130-0004 東京都墨田区本所1-17-10
TEL03-6658-8220
FAX03-6658-8220
担当者遠藤光志
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