吉岡商事株式会社

ヨシオカショウジ

[業種]大分類:製造業 中分類:食料品製造業 小分類:動植物油脂製造業

会社紹介 PICKUP特集

食用油の配送とリサイクルを核に飲食店向け日用品全てを扱う

首都圏一円に食用油と洗剤を届ける飲食店の強い味方



吉岡商事は、飲食店などに向けた業務用食用油と洗剤を中心に多様な商品を扱う販売会社です。納入先は、東京都内と神奈川、千葉、埼玉県内の飲食店舗をはじめ、介護施設、給食事業者、総菜製造工場、宿泊施設など食事作りにかかわる約2,800件のお客様です。
創業は昭和3年(1928年)と古く、現社長の祖父が再生油脂を使った石けん工場を作ったことから始まりました。戦後の昭和20年代には「かめのこ石けん」というヒット商品を生みましたが、その後廃食用油の精製再生事業を経て、現在の食用油・洗剤などを販売する吉岡商事となっています。廃食用油の精製加工も吉岡油脂工業として続いています。



現在扱っている商品は、天ぷら油、サラダ油、ごま油、こめ油、紅花油などの食用油全般、食器洗い用、調理機器用など厨房で使う多様な業務用洗剤、そして食品用ラップ、ホイル、キッチンペーパー、マスク、エプロン、箸、紙ナプキン、紙おしぼりなど飲食店で使うプロ用の消耗品、日用品を幅広くカバーしています。小ロットでの販売や高頻度の納品などにも応じる、フットワークの良さときめ細かい対応が強みです。
取扱商品の幅広さは同社の大きな特色で、得意先の飲食店からは1か所への注文で全てそろうところも好評です。同社からは毎朝、これらの注文品を積んだ12台の配送トラックが首都圏一円の得意先へと出発します。この配送車は得意先に商品を届けるだけでなく、天ぷらやフライで使用済みの食用油を一斗缶などで回収して戻ってくるのです。通常、油を廃棄すると費用がかかりますが、同社の回収は無料。これも同社のお客様にとってのメリットの1つになっています。
回収した廃食用油は同社の工場に集められ、加熱して水分を除き、食品残さなどの固形物を取り除いて精製されます。これは再利用のための第一段階の工程で、この後精製廃油は大手の製油工場へと出荷されてさまざま用途向けに再生加工されますが、ほとんどは鶏用の飼料成分に再生されているようです。





同社では業務用販売のほかに一般消費者向け販売も行っており、そのためのネットストアを開設しています。一般には手に入りにくい、プロ向けの食用油や洗剤が購入できると好評です。ここで販売している泥汚れ用洗剤『ポロット』は同社のオリジナル商品で、ある日荒川土手で、野球少年のお母さんからユニフォームの汚れの悩みを聞いたことから開発した洗剤です。
また、同社は年に一度、7月の第1週の土日に“夏の洗剤まつり”という一般向けの実店舗販売イベントを開催しています。地域への感謝を込めたお祭りで、お買い得価格での洗剤、食用油、日用品の販売を行うほか、抽選会でのプレセントや、かき氷、ポテトフライ、焼きそばなどの無料サービスを行い、1000人を集める地域の人気イベントとなっています。また、近年は毎週金曜日に道路に面した広い倉庫スペースを開放して、一般には珍しいカラフルな洗剤や食用油、日用品のパッケージが並ぶ“倉庫セール”を開催しています。道を通る近隣の方たちが「何だろう?」と、ふと立ち寄ってみたくなる雰囲気の店頭販売イベントです。そしてお客様が、同社の社員と交流する場にもなっています。



飲食店に食用油と日用品全てを一括で配送

  • 全てそろう幅広い商品構成

    業務用食用油と洗剤をはじめ、飲食店で使うプロ用の消耗品、日用品を幅広く扱い、一カ所で全部そろう販売会社として好評を得ています。

  • 頼れる食用油の専門知識

    長年の経験から、あらゆる食用油の知識と使用ノウハウは他に負けないものがあります。お客様のご要望とお悩みに的確にお応えできます。

  • 使用済み食用油を無料回収

    食用油を販売するだけでなく、使用済み食用油の回収を無料でお引き受けし、再生利用のための一次加工を自社工場で行っています。

家族で会社を支え、お客様との共存共栄の商売を続ける

「会社の仕事を手伝ったのは定時制の高校生になった頃からで、働かなくては食えなかったから。もう50年以上やっています」
と笑いながら話すのは社長の吉岡聖一氏。10年前に社長を継ぎましたが、その時先代社長の父は81歳だったそうです。初めの頃から家族で事業を支えてきた同社は、今も社員27人中8人が親族で和気あいあいとした雰囲気があります。
「新規のお客様開拓は社員一丸となってやっていて、私も一緒に営業に行ったり別々に回ったり(笑)」(聖一氏)



同社の営業担当は配送車のドライバーで、空いた時間に新規開拓営業も行っています。社内で「ジュンコさん」と呼ばれている娘の吉岡潤子さんは、営業専任で新規開拓実績もダントツのナンバーワンです。
「飛び込みですからそう簡単にお話しをしてもらえませんが、苦手ではないですね。お話ができればお困りのことを聞き出して、どんな事でもその答えを提案していくことで関係づくりをしています」
と潤子さんも仕事に熱意をもって楽しんでいるようです。営業上での同社の強みについても、こう話します。
「うちの強みの1つは取引先メーカーとの連携です。メーカーの担当者に同行してもらって、お客様の細かな要望にも応える製品やサービスの提案ができるのです」
その背景にあるのは、聖一氏がずっと大事にしてきている「共存共栄」の考え方でしょう。聖一氏がこう述べています。 「商売では、共存共栄で自分だけでなく相手も良くならなければいけません。お互い様ということです。誠実なことが大切で、誠実さが相手に通じることで共存共栄の商売ができます」

社員が大事、地域も大切と考える経営をこれからも

同社はかなり以前から、飲食店をお客様にする会社としては珍しく、土日は完全に休業という体制を守ってきました。
「当社では社員を大事にするという観点から、土日は休みにしています。これはお客様にも理解していただいています」
と聖一氏は言い、さらにこう続けます。
「うちはみんなで頑張ろうという会社ですから、利益が出れば社員に分配します。山分けなんです(笑)。これは三代続く社長の方針で、決算書も社員に公開しています」
こうしたオープンな経営が和気あいあいとした雰囲気にも反映され、社内の一体感の元になっているようです。18歳から63歳まで社員の年齢には幅がありますが、ベテラン社員が若手を育てる環境ができていて、取引先の協力を得た社員教育の場もつくられています。
また、同社は社員だけでなく地域の人たちとの良い関係づくりにも積極的で、7月の“夏の洗剤まつり”もそこから生まれています。



「始めたのは平成のはじめで景気が悪くなった時です。親父の主義で、何か地域に役立つものをやろう、それも下町で気を遣わずに楽しめることをやろう、ということで始めました。配送車の出入りも多いものですから、ご近所への感謝の気持ちで収益は度外視してやっています」(聖一氏)
近所を通る路線バスの車内アナウンスでも告知し、口コミで区外からもお買い得な洗剤や日用品を目当てにお客様がやってきます。100円の商品1つでも買っていただいたお客様には屋台の3品分の食券を配るので、子どもたちにも大人気。毎年、大勢のお客様でにぎわいます。
同社が相手にする外食産業は市場環境の厳しさが続いていますが、聖一氏は、地域での基盤を大切に社員の一体感を強くして、これからも誠実な商売で続けていこうと考えています。
「油と洗剤はなくなることはありませんし、見る角度を変えれば新しい商売のやり方も生まれてきます」
と、同社の今後に明るい展望を考えています。

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住所〒131-0042 東京都墨田区東墨田2-13-1
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