株式会社ミムロ

ミムロ

[業種]大分類:その他 小分類:装身具・装飾品・ボタン・同関連品製造業(貴金属・宝石製を除く)

会社紹介 PICKUP特集

利用者の生活の質を高めるストーマベルトの開発

国内では数少ないストーマベルトの開発、製造会社



株式会社ミムロは、国内でもごくわずかしかない、ストーマベルトの開発、製造を行っている会社です。
ストーマとは人工肛門のこと。大腸がんの手術などで肛門からの排せつ機能が失われた際に、腸の一部を体外に向けて開口してつくる排せつ口です。ストーマには排便を制御する働きがないので、患者はストーマに密着する開口部を持ったパウチと呼ばれる袋を常に装着しないといけません。ストーマベルトとは、日常生活の中でこのパウチをしっかりと支え、皮膚を保護し、衛生を保つための補助具です。
ストーマを持つ人をオストメイトといいますが、申請により障碍者手帳を取得することができ、現在そうしたオストメイトの方が約21万人(2017年度)います。




同社はもともと服飾付属品の卸販売を行っていた会社でしたが、2004年からストーマベルトの開発、製造に取り組むようになりました。きっかけは、前社長(現会長)の親しい友人だったオストメイトからの相談です。使っている海外製のストーマベルトがまったく合わず、耐久性もないことから、もっと丈夫で自分にマッチしたものを作れないかということでした。
オストメイトにとって、ストーマベルトが自分に合うかどうかはとても重要な問題です。パウチがしっかり保持できるか、装具からの漏れが起きないか、パウチの処置に手間取らないか、人が見て目立ちはしないか、肌のかぶれや痛みがないか、動作を邪魔しないかなど、生活上のストレスを少しでも減らし、QOL(生活の質)を高めるベルトが求められます。
オストメイトの方々が社会復帰を果たすためには、必要な対処を自分自身で行うセルフストマケアを確立する必要があり、その一環としてその人ごとにマッチするストーマベルトが欠かせないものになるのです。




そこで前社長は、その友人のためのストーマベルトの改善点を洗い出し、服飾品問屋としての生地の知識と持ち前の発明心を発揮して、友人のためにそれまでにないベルトを作りました。友人がそれを付けて病院に行くと、看護師さんたちがその使いやすさに驚き、絶賛したのです。柔らかな生地とフィット感、留め具の工夫など、それまでの海外製にはない優れた点が多くありました。
前社長も、既存のストーマベルトに不満を持つオストメイトが多くいることを知り、新しいストーマベルトを作ることで、苦労しているオストメイトを助け、役に立つことができると考えたのです。以来、その病院から利用希望者の紹介を受けるようになり、次第に紹介を受ける病院の数を増やし、やがて全国のオストメイトの悩みに応えて製品を提供するようになったのです。こうして第2の事業の柱が確立されました。








同社は現在多くの種類のストーマベルトを製造しており、肌にやさしいソフト綿を使用した『やわらかストーマベルト』、ソフトで吸水速乾性に優れた素材を使った『メッシュストーマベルト』をはじめ、帯留めクリップを応用して作ったクリップでどのメーカーのパウチにも使える“ワンタッチベルト”、ガードクッションで外部からの衝撃や締め付けからストーマを保護する『まもーるベルト』など、利用者のことを考えた独自性の高い製品をそろえています。
また、関連する装具として、ヘルニア補正腹帯、肌にやさしいオーガニックコットンを使ったパウチカバー、入浴用パウチ保護フィルムなどを製造するほか、使用感を重視したそけいベルト(鼠蹊ヘルニアベルト=脱腸帯)の開発、製造も行っています。
さらに、同社では利用者の個別の要望に応じた、オーダーメイドのストーマベルト製作にも取り組んでいます。製品の性質上、標準的な既製品ではどうしてもマッチしない利用者もあり、自宅や病院に訪問して改善点を相談し、身体の採寸を行って個別に製作するものです。そこから新製品の開発へと結びつくこともあります。
小規模企業のため大々的な営業活動や宣伝活動はなかなかできません。ストーマ・排泄リハビリテーション学会や、皮膚・排せつケア認定看護師の勉強会での製品展示によってPRを行い、医療機器の販売代理店を通じて全国の医療機関からオストメイトへの提供を行っています。
消化器系の外科やストーマ外来など、医療機関の専門分野の医師、看護師の間では、ミムロという社名も徐々に浸透しているようです。オストメイトの使い勝手を重視した製品開発には高い評価が寄せられています。

困難を抱えた利用者の立場に立った開発

  • 発想力+開発力の製品

    柔軟なアイディアと服飾にかかわる知識から、今までにないストーマベルトを開発し、ていねいな手作りで使う人にやさしい製品を作っています。

  • ユーザーの声からの開発

    ストーマを持つ人は日常生活でも精神面でも様々なストレスを抱えています。その一人ひとりの声をきき、ストレスを軽減する装具を開発しています。

  • オーダーメイドへの対応

    標準品では効果が得られない、サイズやストーマの位置が違うなど、特別なご要望に対してオーダーメイドによるベルトの提供を行っています。

困っている人の役に立つ製品を提供することを大切に

株式会社ミムロの代表取締役社長 落合正行氏、代表取締役会長(前社長) 落合龍雄氏、取締役 畑江実子氏にお話をうかがいました。龍雄氏は現社長の父、畑さんは妹で1年前に入社しています。
最初にストーマベルトを作ったのは龍雄氏でしたが、じつはその何年か前に自分で使う腰痛ベルトを作ったことがあり、それをストーマベルトに応用したといいます。整骨院で渡されたベルトが雑な作りだったので、自分ならもっといいものを作れるとアイディア製品的なベルトを自作しました。
龍雄氏の発明好きは昔からで、40年前には、長さ調節がバックルの隠しツメでできるベルトを作って特許を取り、ヒット商品にしたといいます。
「考えるのが好きでね」と龍雄氏は笑いますが、寝る時もいつも枕元にノートを置いておき、思いつくとすぐメモしているほど。ワンタッチベルトのパウチを挟むクリップや、左右の引く力が均等になるベルト、衝撃を吸収するパウチガード、消臭効果のあるパウチカバーなど、ストーマベルトの数々の新機能、新考案もほとんど龍雄氏のアイディアから生まれています。



龍雄氏は、困っている人を見るとその解決法を考えずにいられない性格、ユーザーの困りごとを聞いて製品づくりに生かすということを実践してきたようです。現社長の正行氏もその点を高く評価しています。
「オストメイトの患者会の集まりに行った時、“きょうは会長来ないの?”という男性がいて、聞くと、以前わたしの悩みを聞いてお風呂で使うおわん型パウチカバーを作ってくれたと言うのです。とても感謝していて、会長に会えないのを残念がっていました。そういう人が各地にいらっしゃいます」(正行氏)
ユーザーであるオストメイトの方は、自分がオストメイトであることをなかなかオープンにはできませんし、日常的に大きな精神的負荷を負って生活しています。そうした方たちに、どんな仕事も、会議や会話も、スポーツも、日常生活のすべての時間をできる限り不安なく送ってほしいし、そのための製品を提供したいというのが同社の願いです。
「ビジネスという観点で見ますと確かに非効率ではあるのですが、それ以上に、困っている人に対してなんとかしたいという気持ちがありますし、作ったものが役に立つ実感があることがやりがいです」
と正行氏はこの仕事への取組みの強い意志を示しています。

規模拡大よりもいい商品を届けるオンリーワン企業へ

「サンプルを病院に送ってPR活動をしていますが、コストがかかっています。ICTを利用して、必要としている方たちに、もっと広く効率的に知ってもらえるようにしたいですね」
と畑さんが話します。
ストーマケアということ自体、まだ社会的な認知と理解が課題としてある中で、ストーマベルトの製品情報をどう伝えていくかが課題になっています。同社では今後ホームページのリニューアルを進めるほか、SNSを利用した情報発信を考えていく予定です。



海外のユーザーに製品をどのように届けるかも課題です。
「カナダ在住の人から、直接購入できないかという問い合わせをいただいたのですが、今後海外での販売ルートを作る必要を感じています。いま中小企業振興公社の国際事業課の方に相談しているところです」海外事業部とも相談しているところです」
と正行氏も言います。
このほか、オーダーメイドの体制を確立することも考えていると言います。ユーザーの具体的な状態をうかがい、身体の採寸を行うことも必要になりますが、遠隔地のユーザーの場合は難しいこともあります。ここでもICTによる画像や動画を使った方法が考えられますが、これも今後の課題です。
そして、正行氏は同社のこれからについてこう述べています。
「規模の拡大は考えていません。いい商品を届けられる会社として育っていきたいと思います。会長の考えと開発力を引き継いで、オンリーワン企業を目指していきたいですね」

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