株式会社積木製作

ツミキセイサク

[業種]大分類:製造業 中分類:その他 小分類:他に分類されない製造業

会社紹介 PICKUP特集

建築VRで先頭に立つ錦糸町のオンリーワン企業

CGパース制作から多様なVRサービスとコンテンツの開発へ

株式会社積木製作は、錦糸町に本拠を置き、建築ビジュアライゼーションから生まれた高品位なVR(仮想現実)・AR(拡張現実)サービスの“VROX”を展開するプロフェッショナルなVR開発会社です。
もともとゼネコンの設計部門にいた城戸太郎社長が、建築CGパース(完成予想図)制作会社として2003年に立ち上げた会社で、フォトリアルと形容する非常にリアリティのある高品質な3DCGパースを制作していました。その中でVR技術の可能性に着目し、4年前の2014年に建築系VRサービスへと進出。当初は建設部門のVRへのニーズがまだ確かでなく、建築系以外のゲームやエンターテインメントでのVRにも範囲を拡げましたが、2016年にある大手企業から建設現場の安全体感教育というVRコンテンツ制作を受注したことを契機に、“VRトレーニング”という独自の分野を確立しました。
VRトレーニングは、事故をバーチャル再現して危険性と防止策を学んだり、言葉と映像だけでは難しい現場業務の教育をバーチャル体験で実現したりするものです。同社ではそのVRコンテンツを、建設業だけでなく製造業、鉄道業、プラントの企業から受注して制作するほか、2017年から「安全体感VRトレーニング」としてパッケージ化して販売しています。
また、2018年6月には、VRと3Dデータを活用した設計者向けのプレゼンテーションツール「VR CAD Viewer」のサービス提供を開始しました。先進的な建設企業で採用が進みはじめた総合情報構築システムBIM(Building Information Modeling)のデータを活用する、自社開発の次世代型VRツールです。ヘッドセットでは、建物の3Dデータと形状、仕上げ素材、設備機器などの多様なデータがそのままVRへ変換され、利用者は空間内を歩き回って完成する建物の細部まで確認ができます。
これまで設計者向けのVRは、価格、レスポンススピード、使い勝手等でまだまだ満足できるものではありませんでしたが、「VR CAD Viewer」はリアルタイム処理とスタンドアロンの自由度、専門技術者が不要の使いやすさと低価格化で、設計者が十分に使えるVRツールとなっていて導入に期待ができます。
同社では現在、ご紹介した「安全体感VRトレーニング」や「VR CAD Viewer」のほか、VR・ARサービスVROXとして、建築プレゼンテーション、モデルルーム、都市開発景観、商品イメージ、社員教育などの分野に対応したソリューションサービスをラインアップしています。





設計技術と高品質VR技術の融合

  • 建築設計に精通したVR

    建築系VRコンテンツの開発では“図面が読める”ことが決定的に重要。同社では、高い建築設計技術+先端的なVR開発技術を特長にしています。

  • フォトリアルな精密画像

    建築CGで鍛えたフォトリアルな“画像のきれいさ”が高い評価を得ています。VRでは難しい、精密でリアルな質感を持った3D画像を実現できます。

  • BIMデータをVRに活用

    世界の建設市場で導入が進むBIM(Building Information Modeling)システムのデータをVR制作に活用して、建築VR技術をリードしています。

設計者が活用できるVRサービスの提供を開始

「特に営業活動はしていませんが、展示会やニュースリリースからのお問い合わせが多くあって、大手企業ともダイレクトにお話ができています」
と社長の城戸太郎氏は話します。間に商社や代理店が入らず、話が早く進むのが大きなメリットだとも言います。
取締役マネージャーの赤崎信也氏もこう語ります。
「建築系のVRで当社ほど広く取り組んでいるところはないと思います。経験値と技術で言えばうちがオンリーワンでしょう。これまでプレゼン用の建築VRは作るのに時間がかかっていましたが、VR CAD ViewerはBIMデータと新しいデバイスを使って短時間でVRができます。このソフト開発も自社で行っています。安全教育と研究のためだったVRが、これから設計者のためのVRにもなり用途が大きく広がるはずです」



VR元年と言われた2016年にVRサービスを商品化した同社ですが、VRの認知と利用が急速に広がり始めた現在、同社のビジネスも大きくステップアップする時期を迎えているようです。
「BIMとVRを連携する取り組みがテーマになっています。これからの5G時代に可能性が広がる領域です。BIMには1年半前から対応しましたが、BIMを使うには設計、現場、法律、営業、管理などあらゆる分野がかかわってくるため、それらに強い会社の協力を得ています。このビジネスは1社ですべてやるのは無理で、多くの企業との協働が必要です」
と城戸氏が話します。現在のビジネスは全てBtoBですが、次の段階としてBtoCへの展開も考えるとも言っています。

市場を世界に求めて、人材も世界から

「ゼネコン出身だし、横文字は合わないと思った」という城戸氏が付けた社名が「積木製作」でした。積木という言葉は、中国ではコツコツ積み上げる、地に足をつけて地道にやるという意味合いがあるそうです。経営について堅実であることを重視している城戸氏は、「流行に飛びつく会社に見えそうですが、地に足が着いた経営を大切にしています。地面をガチッと噛んで三段跳びをしていきます。役に立つ会社になることと、家族を大事にすることも目標にしています。未来の子供たちに誇れる会社になろうということです」と話します。(城戸氏)
とはいえVRコンテンツの開発、制作という分野では、常に新しい技術、システム、デバイスが登場してきます。この動きをカバーしながら独自の提案を続けるには、優れた若い人材を集めることが大事です。ふつうの募集では求める人材を採用できないので、SNSで情報発信して反応を見ながら人材探しをしているとのことです。
じつは、同社が開設しているブログページでは、同社のエンジニアがVRにかかわる技術ノウハウやディープな余話を公開していて、知る人ぞ知るその道の情報交流の場になっているようなのです。そして城戸氏はこう言います。
「人が足りないのはわかっています。さらに、東京オリンピックが終われば、我々も世界へ出ざるを得ないと考えています。それで今回、将来に備えて、東南アジアの国でVRを学んでいる若手数人をスタッフとして当社に招きました。日本人スタッフと同じ給与でやってもらい、高いスキルを持った戦力として育てて、BIMとVRで世界へ出ていきたいと思います」
錦糸町から世界へ。積木製作の夢が広がっています。



事例紹介

◆VR CAD Viewer IVR 2018



◆安全体感VRトレーニング 001建設現場における仮設足場からの墜落

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