株式会社プラネックス

プラネックス

[業種]大分類:製造業 中分類:業務用機械器具製造業 小分類:サービス用・娯楽用機械器具製造業

会社紹介 PICKUP特集

ロボット利用へと進む安全教育映像のオンリーワン企業

労災をなくすための安全教育映像を制作

プラネックスは、25年以上にわたって、建設業界に向けた労働災害(労災)を起こさないための労働安全映像教材(DVD)を制作してきた会社です。住宅建設の安全教育映像専門の制作会社としてはおそらく国内唯一の存在。販売カタログには事業者、職長、現場作業者に向けた自社制作の教材DVDが90タイトル近く掲載され、全国の建設関連企業や建築現場での安全教育に利用されています。
同社が制作するDVDは、具体的な危険や事故の事例を再現するドラマ仕立ての教材が多く、現場で作業する従業者にわかりやすいのが特長です。こうした実績と経験から、企業や団体からオリジナルDVDの制作を依頼されることも多くなり、安全教育ばかりでなく社員研修やイベント向けなどの多様な映像の受託制作も伸ばしています。

同社が一貫して安全映像教材の制作に力を入れてきた背景には、社長の川内一毅氏の、労災の起こらない現場をつくるという使命感があります。同氏はこれを、「元気に仕事に出かけて行った人を、無事に自宅に戻すために」と表現し、労災被災者とその家族の悲痛な訴えを聞くこととなった経験があったためと述べています。 こうした使命感もあって同社では、映像制作の枠を超えて東京労働局長登録教習機関の「住建センター」を開設し、建設事業者と従業者向けの技能講習と安全研修の企画・運営も行っています。そのプログラムは専門的な教育研修からマナー講習までと幅広く、オフィスに併設した研修室で実施されているほか、全国各地の会場や企業で実施されています。

また現在、同社では今後の新しい展開を求めて、建築現場などへ派遣する安全教育ロボットの開発に取り掛かっています。そのファーストステップとして、すみだ北斎美術館で来館者に展示物の解説サービスを行う案内ロボット“おーい”を開発し、実証実験を進めています。

安全教育映像のオンリーワン企業

  • 安全映像教材の制作販売

    主に建設業の労働災害を防ぐための安全教育映像で、事業者から現場作業者までを対象にした各種コンテンツを制作・販売する専門会社です。

  • オリジナル映像の受注制作

    販売教材のほかに、企業、団体の安全教育や技能、マナーの講習用オリジナル映像を、ご注文に応じて企画・制作しています。

  • 使命感を持った事業の推進

    「元気に仕事に出かけて行った人を、無事に自宅に戻す」という使命のために、労災のない現場を目指して教育映像の制作事業にあたっています。

オンリーワン企業を目指して安全教育映像の道を拓いた

社長の川内氏が、27年前、安全教育の映像制作というニッチな分野に事業の的を絞った理由には、自分自身の辛い経験があったと言います。
川内氏は大学を卒業後ある商社で勤務していましたが、妻の父から経営する印刷会社の後継者になることを請われて会社を移りました。ところが数年後に、従業員が印刷機に引き込まれ片手を失うという労災事故が起こります。川内氏は事故後の対応に奔走しましたが、その時の被災者家族とのつらい会話が忘れられません。会社も経営が悪化し解散せざるを得なかったといいます。
その後、川内氏は自分の会社をつくりましたが、なかなか事業が定まりません。そんなときに映像制作の仕事が舞い込みます。



「縁あって出会った住宅メーカーの安全担当者から、社員教育ビデオが作れないかという話が出て引き受けました。商社時代に取引先のPR映像の制作を経験していて、勝手は知っていたのです」
そして制作を進める中、建築現場で起きる労災事故の深刻な結果を知り、以前自分が経験した労災事故の記憶に結び付きました。
「何か起こせば職人がつらい目に遭い、その工務店も注文をなくします。現場の教育をしないといけないと思いました。それで、映像を利用して安全教育をすることを仕事にしようと決めたのです」
じつはこの事業に絞り込んだ背景には、もう一つ、“オンリーワン”というキーワードがありました。
「青年会議所の仲間と墨田区出身の岡野工業(*)の岡野社長(代表社員)にお会いしたことがあって、その時に、会社経営にはオンリーワンを目指すことが大事だと教わって、その言葉が印象に残っていたのです」
安全教育専門の映像制作など、他にやっているところはありません。オンリーワンへの道がそこにあったのです。そして27年後の現在、プラネックスは安全教育映像でオンリーワンの位置を確かにしています。

(* 岡野工業は、痛くない極細注射針の製造技術を持つ世界的な町工場です。)

墨田区をロボット王国にする挑戦を開始する

今年3月28日、川内氏は長岡技術科学大学のシステム安全専攻専門職修士課程を修了しました。2年間、毎週土日は朝から晩まで授業、月から金までは仕事と提出レポートの作成という生活だったということです。
「当初はなんでこの道を選んだのかと後悔しましたが、安全に関してはおそらく日本最高峰の授業で、充実した2年間でした。家族の理解、会社の理解無くしては成し得ない修了でした」
と川内氏は自身のブログ「一毅・日記」に書いています。
その川内氏が昨年から取り組んでいるのが、墨田区が運営する『すみだ北斎美術館』で展示物の説明をする案内ロボットの開発です。もともとは安全教育ロボットの開発を目指したのですが、たまたま東京都立産業技術研究センター(都産技研)が案内サービスを提供するロボットの共同開発相手を公募していたので、まずは第一歩として案内ロボットの開発に挑戦したのです。
「なぜロボットかというと、映像を超える安全教育の方法を考えていたためです。いま、安全教育を専門的にできる方たちが高齢化していて、大手企業でもスペシャリストがいなくなってしまう恐れがあります。そこで、ロボットに専門知識と教育コンテンツを移植した上で、企業や現場に派遣して人に代わって安全教育を行えたら…と考えたのです」
都産技研へも、最初は安全教育ロボットのビジネス化の相談に行ったのですが、その年は案内ロボットでの募集だけということで引き返しました。
「でも、いや待てよと考えたのです。職人相手のロボットか来場者相手のロボットかの違いだけで、ロボットとしてはそう変わらない、ならばまず案内ロボットでやってみよう…と。それで、すみだ北斎美術館に交渉したところ、やりましょうということになって、都産技研にも共同開発に採用してもらえました」
ロボットの愛称は『おーい』ちゃん。自動でお客様を誘導する先導型自律移動機能を持ち、日本語、英語、中国語、韓国語の多言語対応で、頭部にタッチパネルを搭載しています。
昨年10月に第1回実証実験が行われ、12月に第2回目、今年5月30日、31日に第3回目の実証実験が実施され、これには山本亨墨田区長も訪れました。
「人が集まるところに進入できるロボットは国内でも初めてだと思います」
と川内氏が述べるだけあって、開発で最大限の注意を払ったのは人に対する安全性でした。そのため、人に安全な材質の選定や、周囲の人を感知するためのセンサーの位置など、安全面での改良が繰り返されました。人が前に立った時も、避けて移動するのでなく、立ち止まって「道を開けてください」と優しくお願いすることにしました。
このロボット開発には浜野製作所も協力していて、川内氏は今後の開発をオール墨田でやっていくつもりと話しています。
「墨田区には博物館が多いですし観光地としても人気がありますから、東京オリンピックの年には、案内ロボットがあちこちで働く“ロボット王国”にできたらいいなと思っています」
安全教育ロボットの開発という目標のほかに、ロボット王国すみだの実現という新たな目標を加え、川内氏はロボットとともに未来を拓いていこうとしています。

自律移動型多言語対応案内ロボット「おーい」第三次実証実験説明会 2018.5.31

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