有限会社東屋

アヅマヤ

[業種]大分類:なめし革・同製品・毛皮製造業 小分類:袋物製造業

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100年続く革小物づくりに楽しく挑戦する

100年を超える革小物製造と新ブランドの挑戦

東屋(あづまや)は、袋物を中心にした革小物の製造・販売を行う、100年を超える歴史のある専門店です。創業は大正3年(1914年)。両国の南側、隅田川の支流の竪川(たてかわ)を背にした立地は創業以来変わっていません。その歴史を感じさせるのが、本社2階にある「袋物博物館」です。江戸時代の革製品から、東屋のあゆみを示す革小物や戦災を免れた古い屏風なども展示されています。
同社が製造する革小物はさいふ、がま口をはじめ、ペンケース、名刺入れ、ブックカバー、トレイといったステーショナリーへと展開されています。そのほとんどはOEM生産としてのもので、いくつかの有名ブランドとも長いお付き合いがあり、高品質な材料を使った優れた技術によるていねいなものづくりが高く評価されています。このものづくりを支えているのが、専属でウデをふるってくれている熟練の職人たち。現在は8人の職人さんが携わっていますが、いずれも同社とは昔からの信頼関係があります。
また同社では、OEM生産とは別に、創業100周年を契機として2014年にオリジナルブランド『AZUMAYA』を立ち上げています。6代目の現社長、木戸麻貴さんが企画する革小物類で、“enjoy=楽しんで作る”をコンセプトに、OEMで培ったていねいなものづくりと細部へのこだわりが息づいています。大小水玉模様デザインの“まるあ柄 ※1”がま口は「すみだモダン2016」の認証を受け、北斎の作品をあしらった“粋 HOKUSAI”長財布が、墨田区ほか近隣5区が進めるTASKものづくり大賞の奨励賞 (2017年 第11回) を受賞しています。
AZUMAYA製品は現在、自社オンラインストアのほかすみだまち処(東京スカイツリータウン・ソラマチ5階)と百貨店の展示会などで販売しているほか、本社2階のギャラリーで展示販売されています。また、オリジナルなノベルティ革製品の企画・製造を行っていて、企業や団体からのオーダーに応えています。

※1 まるあ柄は意匠登録されています。





技術、品質、信頼に基づくものづくり

  • 熟練の革職人の技術力

    長年にわたって熟練の職人とともに培った革加工技術を有しており、目に見えない細部にまで伝統の技が行き届いた革小物づくりを続けています。

  • 最高品質の材料を使う

    革製品は材料の皮の品質が命。同社は、なめしからの皮加工に高い技術と長い経験を持つ仕入先から、最高品質の材料を入手しています。

  • 純国産のオリジナル製品

    国内のみでの生産によりごく小ロットの製品でも柔軟に作製することが可能で、オリジナルな発想とデザインによる革小物を生み出します。

6代目が目指すのはみんながハッピーになるものづくり

「東屋を継ぐつもりはなかったのですが、あることで家業の良さを見直すことになりました」
と話すのは、2016年に6代目を継いだ木戸麻貴さん。大学卒業後サービス業で勤務したあと、ニュージーランドに語学留学して帰国後航空会社の地上職に就き、さらに外資系コンサルティング会社で勤務した経験を持っています。その会社が合併したとき、記念のノベルティに革のファイルを作ろうということになって、木戸さんが家に製作を頼んだのだそうです。
「それで出来上がってきた革のファイルをお配りしたら、皆さんにめちゃめちゃ喜んでいただけて、ああ、いい仕事なんだと見直したのです」(木戸さん)
もちろん小さい頃から革小物作りを身近に見ながら育ち、材料の検品を手伝ったりしていましたが、自分はサービス業の仕事を目指したと言います。それが家業の良さを見直したことで、会社勤務をしながら東屋を手伝うようになりました。



「袋物博物館ができた時に製品のPRをしようとホームページを作って、そこから仕事が入ることが出てきたのですが、メールを見るのが私だけだったので営業にも私が行くようになりました」(木戸さん)
やがて東屋に専念するようになり、100周年の2014年に自社ブランド『AZUMAYA』 を立ち上げ、2016年に父から社長を引き継ぐことになりました。4代目の祖母と5代目の父は、それぞれ27年ずつ社長を務められたそうです。
「戦争で亡くなった祖父が残した遺言状が戦後に見つかって、そこに、袋物業界が続く限りはこの家業を続けてくれ、ということが書かれていたそうです。私としては、代々の苦労と想いを受け止めて、誠実なものづくりを通じてお取引先、お客様、職人さん、社員のみんながハッピーになるかたちで継続していきたいと考えました」
と木戸さんは話します。

気負わず無理せず日本の革小物を楽しんでもらうこと

木戸さんが大事に考えているのは、物事を前向きにとらえて楽しく挑戦すること。楽しんで作り、楽しんで使ってもらえる革小物を提供することを考え続けています。
AZUMAYAブランドの製品のアイディアや企画はすべて木戸さんの担当です。いまはOEMの受注をこなすことで職人さんも精いっぱいなのですが、OEM生産の合間を見てAZUMAYAブランドの製品を作ってもらっています。オリジナルブランドはまだまだこれからで、東屋を支える第2の柱に育てるのは簡単ではありません。
「自社ブランドを立ち上げたものの、なかなか販路が開拓できず心が折れそうになったこともあったのですが、2年目にフロンティアすみだ塾に入って学んだことで覚悟ができました」
と木戸さんは話します。フロンティアすみだ塾は墨田区の若手経営者育成事業の1つで、中小企業の経営に詳しい大学教授などによるセミナーですが、区内の若手経営者の交流の場にもなっています。木戸さんも、ここで「きど姐」と呼ばれながら仲間ができたことが大きかったと言います。百貨店の展示会に、その仲間と一緒に商品を出展することもあります。
「これからはできる限り日本の職人の心意気と技術の継承に努めて、少しでも多くの方に日本の革小物の良さを知っていただきたいと思います。新感覚の自社ブランド製品も国内外に積極的にPRしたいと考えていますが、あまり気負ってもしようがないですから、無理をせず続けられるだけ続けていこうと決めています」
と話す木戸さんですが、留め金がないのにぱちんと閉まる“クマの耳形がまぐちrana(ラーナ)(ranaはイタリア語でカエル)”を手に、今は仕事が楽しくて仕方ないと笑っています。


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連絡先

住所〒130-0026 東京都墨田区両国1-1-7
TEL03-3631-6353
FAX03-3631-1027
担当者木戸麻貴
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