株式会社魚雷映蔵

ギョライエイゾウ

[業種]大分類:製造業 中分類:その他 小分類:他に分類されない製造業

会社紹介 PICKUP特集

京都出身、墨田が拠点のパワーあふれるPRアニメ制作会社

ショートムービーに特化したアニメプロダクション

株式会社魚雷映蔵は、ショートムービー制作に特化したアニメプロダクション。手掛けるのは、TV放送用などのストーリーアニメではなく、CMやPV(プロモーションビデオ)といった企業が宣伝広告のために使うアニメが主流です。
魚雷映蔵がつくるアニメは、親しみやすくわかりやすいショートムービーで、商品や企業のPRに効果的。広告代理店を介さず、直接企業からの要望を受けて、広告の企画からキャラクター作りとアニメ制作までを行うことも多いという同社は、一般的に連想する「アニメ制作会社」というより、広告会社やデザイン会社に近いビジネススタイルだと言えます。その一方で、自ら営業することはほとんどなく、過去の制作実績の評判やSNSからの問い合わせに応えて商談化するのがほとんどだそう。行政の広告企画から、小規模なプロジェクトのPR用のキャラクターをプロデュースするといった事業も行っており、コンテンツの制作から運用までをサポートできるのも強みです。
こうしたビジネスを可能にした背景には、2014年から携わる京都市交通局のPRプロジェクト、『地下鉄に乗るっ』のアニメCMへの評価があります。もともと京都で創立した魚雷映蔵ですが、拠点を東京へ移した後も積極的にこのプロジェクトに参画しています。当初は地元の市民や、コアな鉄道ファンなどの局所的な人気でしたが、社長の佐野リヨウタ氏がTwitterでPRを始めたことをきっかけに徐々にネット上で注目が集まり、関連イベントも積極的に企画。のちにクラウドファンディングを利用して、自ら『地下鉄に乗るっ』の短編アニメ制作を企画した際には、1,000万円以上の支援を集めるほどの人気作になりました。
アニメ制作の問い合わせは全国からあり、同社では、アニメを宣伝に使いたいが具体的な運用ノウハウが無いといった企業の要望にもきめ細かく応えています。特に、アニメコンテンツとSNSの活用を組み合わせたマーケティングを得意としており、企業の新しい形のマーケティング戦略を追究しています。

短い時間でも、視聴者の心に刺さるアニメづくり

  • 地下鉄に乗るっ

    同社の名前が知られることとなったのが、京都市交通局の地下鉄PRプロジェクト『地下鉄に乗るっ』で制作したアニメシリーズ。

  • つめあと残すアニメ。

    同社のキャッチコピーは「つめあと残すアニメ。」で、視聴者の心に刺さる映像づくりへのこだわりが込められています。

  • 広告会社として

    代理店を介さずお客様と直接話し合って、マーケティングにパワーを与えるCMやPVの企画、提案を行う広告会社という側面もあります。

既存のアニメ業界と違うことがしたくて墨田へやって来た

「“日本ならでは”のクリエイティブをやろうと思い、アニメにたどり着きました。」
京都の芸大を出て2年、フリーランスで実写の映像制作をしていた佐野氏でしたが、将来を見据えて、実写映像からアニメ制作へと方向転換したと言います。そこには「今に実写ベースの映像は誰でも作れる時代になるだろう」といった先見と、「グローバル化する現代において、日本で作る必然性のあるものを扱いたい」という判断もありました。そこで、2012年に同じ大学でアニメを作っていた級友たちとともに立ち上げたのが「魚雷映蔵」でした。



「実は、私自身はアニメ自体ほとんど観ることもなかったので、創業当初は、アニメに詳しくて、作画の技術も高い仲間たちをサポートするつもりで始めました。そのうち東京のクライアントも多くなり、市場の中心は東京だと実感するようになったので、拠点を移そうと決めました」(佐野氏)
知り合いが格安で貸してくれた曳舟の小さなオフィスで東京での仕事がスタート、京都の地下鉄のCM制作はこのころでした。
「伝統を重んじる京都は、裏を返せば保守的な風土とも言えます。一方で、同じく伝統文化が根強く残る墨田区には、京都には無かった創意工夫とバイタリティがあると感じました。アニメ業界は一見、華やかに見えるかも知れませんが、市場のニーズと業界での温度差があり、クリエイターの労働環境の問題も重大で、閉鎖的な業界だと感じます。既存のコミュニティとは一線を画したいと思い、敢えてアニメ制作会社がない墨田区を選んで独自のBtoBのビジネスを始めました。」
と佐野氏は振り返ります。翌年2015年に魚雷映蔵は法人化しました。

新しい感覚と、アニメのアドバンテージで海外進出

魚雷映蔵のキャッチコピーは「つめあと残すアニメ。」というもので、ショートムービーで、いかに視聴者に深く刺さるメッセージを発信するかを追求しています。
「例えば、テレビアニメは1話30分、映画だったら2時間というボリュームに対して、我々の扱う映像は15秒や30秒、長くても10分程度です。短い時間で、いかに伝えたいことを効果的に演出するかを日々追究している点は、他の制作会社には無い強みだと思います。また、既に『映像はテレビや映画館で観るもの』という既成概念は崩れつつありますが、スマホから路上のサイネージまで、媒体を問わず、クライアントの要求に合わせて柔軟に制作できるのも強みです」
と佐野氏は自社のアニメづくりに自信を示します。2018年1月には、人気アニメシリーズ「マクロス」の35周年記念PVを手掛け、東京スカイツリーの展望階の窓面の110メートルのスクリーンに投影しました。
「インターネットが普及した今の時代、『こうしたら視聴者に刺さるかも』とやってみたことの反応がリアルタイムで見えるのが面白いし、勉強になりますね。作ったものが自分でも予期しない方向に影響しいって、そこから生まれる新たな発見や繋がりがやりがいになっています。映像制作や企画提案、経営でも、何か行動を起こす際は瞬発力と直感を大事にしています。今思えば、クラウドファンディングを企画したのも、東京へ来たのも直感でした。」(佐野氏)
一昨年(2016年)は、参加した墨田区の創業セミナーで講師をしていた中小企業診断士の勧めで、両国の国際ファッションセンタービル内にあるKFC Creative Studioにオフィスを移しました。区の支援を受けながら最大3年間の入居が可能です。
「ファッション関係だけでなくクリエイティブな創業企業が集まっていて、異業種の方との交流で新しい気付きもありますし、アクティブな情報交換ができるのが良いところです。今後の目標ですが、最近は海外での活動の機会も増えました。制作インフラの基盤を固めることに加えて、日本のアドバンテージを活かした海外の市場開拓にも力を入れたいと思っています」
と佐野氏は将来への意気込みを力強く語っています。

動画で見る「魚雷映蔵」

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