有限会社サンテック

サンテック

[業種]大分類：製造業　中分類：プラスチック製品製造業（別掲を除く）　小分類：工業用プラスチック製品製造業

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プラスチック精密部品の製造で技術と信頼を獲得

サンテックは、エンジニアリングプラスチック（以下、エンプラ）やフッ素樹脂の切削加工・研削加工を行う樹脂加工メーカーです。主な製品は、生産ラインで使われる製造機器や、医療機器、光学機器、精密機械などの部品。特に素材に丸棒を使った精密加工を得意としていて、公差100分の1ミリに近いレベルの加工が可能です。また、自社用および素材商社向けに、丸棒のセンターレスグラインダー加工(真円度を出すための研削加工)も行っています。1997年の設立という、墨田区の中小企業としてはまだ新しい企業です。スタート時の社長は、現会長で現社長・山部敦行氏の母上である山部順子氏でした。
2人とも元は樹脂加工とはまったく無縁の仕事をしていたのですが、半ば成り行きでこの世界に飛び込むことに。しかし、だからこそ「当たり前のことを当たり前に」をモットーとして、人並み以上の真面目さと真剣さで仕事に取り組み、技術の獲得に励んだ結果、多くのお客様の信頼を獲得してきたといえます。リーマンショック後、一時業績を悪化させたものの、翌2009年には新工場に移転して経営を復活させ、現在はその工場も高い稼働率を維持するまでになっています。

エンプラの精密切削加工に強み

公差100分の1ミリ

得意とするのは精密切削加工で、公差100分の1ミリオーダーまで対応可能です。複雑な形状の加工にも対応し、専用の刃物(切削バイト)も社内製作します。
恒温管理の工場

加工品質を保つため工場内の温度も20℃～23℃で恒温管理しています。
短納期、1個試作にも対応

納期は厳守。短納期の依頼にも、1個づくりの試作品にも柔軟に対応しています。

自動車製造ロボットの部品で技術力が向上

「初めての業界でしたから、わからないままに、そこまでしなくてもというレベルまで仕上げて納めていたのです。それが、品質がいいという評価につながり、自然と営業力になって口コミでお客様が増えていったのだと思います」
そう話すのは社長の山部敦行氏。
「バフ掛け(研磨仕上げ)していないのにツルツル！」
と言って笑うのは会長の山部順子氏。敦行氏は設立7カ月目に会社に加わったのですが、それ以前は、カーディーラーでメーカー資格1級の整備エンジニアをしていました。
「会社を駄目にできないと必死で夜中まで働きました。作る1品1品が勉強で、材料はずいぶん無駄にしましたね。軌道に乗ったのは4年経ってからで、自動車の生産ラインで使うロボットの部品を受注したのが転機になりました」
要求される品質も厳しく、これでウデも上がったと言います。製品の実績としても評価を得ることができ、他の受注の拡大にもつながりました。
「そのあと仕事がなくて困ったのは唯一、リーマンショックの後だけ」
と順子氏は振り返ります。ちょうど新工場への移転計画が進んでいた時で、一時は週休4日にして社員の給料を払い続け頑張り通したそうです。「当たり前のことを当たり前に」やって納期と品質は必ず守る。それがサンテックの信条であり身上でもあるのです。

若手エンジニアと共に次の成長を目指す

敦行氏のもう1つの転機は、｢フロンティアすみだ塾｣への参加でした。地域産業の次代を担う若手人材の育成を目指す私塾形式のビジネススクールで、塾頭は一橋大学大学院教授の関満博氏です。
「リーマンショック前で、業績も順調でこのままいけば大丈夫と思っていた頃です。ところが、スミダ塾へ行ってみるとすごく元気な経営者がたくさんいて、製造業は現状維持では駄目で常に技術を伸ばしていかなければいけないと教えられました。それ以来私も、技術力を上げて機械も新しいものを入れることを考えるようになりました」
地域の若手経営者仲間も増えて、仕事での協力関係もできました。新工場に移転してから若手の社員も増えました。敦行氏と同じ元1級整備エンジニアが3人います。
「整備士で一人前ならうちへ来ても大丈夫と連れてきました(笑)。今や最強の仕事軍団に育っています」と敦行氏は胸を張ります。今後については、
「丸棒の加工だけでなく、板やブロックからの加工もできるように新しい設備も入れていきたいですね」
と仕事領域の拡張を展望しています。