オレンジトーキョー株式会社

オレンジトーキョー

[業種]大分類:繊維工業 小分類:和装製品・その他の衣服・繊維製身の回り品製造業

会社紹介 PICKUP特集

町工場の再生をねらったメリヤスぞうり『MERI』を世界に発信

古くからのメリヤス技術を新感覚で活かす商品展開

オレンジトーキョーは、ニット製ぞうりのルームシューズ『MERI(メリ)』や、指先が割れているニット靴下『TUTUMU TOKYO 1948』を中心とした、小物ニット製品の企画・製造・販売を手掛ける会社です。
主力2製品のラインアップは、昔からのメリヤス編み技術をベースに丁寧に作られ、和風テイストを持ちながらカラフルでデザイン性と実用性に優れた日用ツールになっています。同じカテゴリーの製品の中では高価格ですが、特に40代50代女性層から高く評価されているほか来日外国人からの人気を呼んでいて、これまで新聞、雑誌メディアにもたびたび取り上げられています。MERIは、毎年春と秋にデザインとパーツが異なる新作を8種程度発表されます。これら現在同社製品は、両国の本店兼工房の「MERIKOTI(メリコティ)」をはじめ、全国のリビング用品、雑貨を扱う小売店、百貨店の売り場と催事場、空港内ショップなどで販売されているほか、東京ソラマチ5階の『すみだ まち処』に置かれています。さらに、輸出もされていて、フランス、イタリア、アメリカ、オーストラリア、台湾、香港の個性的なショップで扱われています。
両国地区は以前メリヤス工場が多く集まっていたエリアで、数は減りましたが現在もまだメリヤス工場が残っています。オレンジトーキョーも、そうしたメリヤス工場の1社を母体にし、新規事業を立ち上げて2013年に独立しました。古くからの町工場が持つ技術を、新しい形で次代につなげるベンチャーといえます。
そのメリヤス編みのファンを増やすため、本店のMERIKOTIでは、一般の方向けにメリヤスぞうり作りや編み物作りのレッスンを行うワークショップを定期的に開催しています。また、ぞうり作りの材料となるメリヤス紐の販売も始め、人気の色をラインアップしています。



企画力、技術力、販路開拓の総合力

  • 他にない商品を生む企画力

    布製ぞうりの良さ、古くからのメリヤス編み技術、ターゲットを絞ったデザインワークを統合して企画したMERIが高い商品力を発揮しています。

  • 町工場の技術を生かす

    同社も町工場の出身。優れた技術を継承してきた町工場の強みを見える化し、それらを再び活かすためのビジネスを探求しています。

  • 素人だからこその販路開拓

    スタートは下請けメーカーが活路を求めての自社製品開発。ですからBtoCは素人でしたが、卸店を通さない小売店との直取引で販路を開拓しました。

右肩下がりのメリヤス工場の再起を期して製品開発

オレンジトーキョーの前身は、両国で1948年(昭和23年)から続くメリヤス工場です。ポロシャツの襟などリブニット製パーツの製造を専門に行ってきた工場で、オレンジトーキョーの社長・小高集(こだかつどい)氏はその三代目でした。小高氏はこう話します。
「2005年に工場を継いで社長になったのですが、それ以来経営の数字を見ていてこれではだめだと思いました。売り上げの減少が下げ止まらないのです。同じことをやっていても仕方ないので、メリヤスで何か自社製品ができないかと悶々と考え続けました」
その2年後に墨田区の若手人材を育てる『フロンティアすみだ塾』に参加し、同じ若手経営者たちと悩みを共有したことで光が見えたと言います。
「1つ決めたことがあって、うちの工場は衣類のパーツ専門で完成品を作るノウハウは無いのだから服は作らないということです。多くの先人たちが失敗したのを見ていましたし、私自身も服には興味がなかったですから」(小高氏)



そこで、ブックカバーなど服以外のもので、試作品を作っては生地の販売をしていた自社サイトに出品しましたが、一向に売れません。ただ、コラボレーションしたいというクリエイターからだんだん声がかかり、ものづくりのステップアップができたと言います。そんな中、2009年に転機が訪れます。
八戸市で小規模に布製ぞうりを製造している方からの、たまたまの相談でした。周辺の縫製工場が減ってしまい、材料にする端切れの入手が困難になったため、協力をお願いできないかという相談です。そこで同業者にも声をかけて余り布を送ったところ、お礼にと製品の布製ぞうりを送ってくれたのです。
「これを履いてみたらすごく気持ちいい。直感的にこれは売れる!と思いました。八戸の方にオリジナルに商品化したいとお願いして、協力いただき1年がかりで布ではなく糸から編んだメリヤス紐を材料にしたカラフルなぞうりを作りました。これをネットに出品するとすぐに完売したのです」(小高氏)
ついに出会えた自社製品の誕生でした。

すみだの町工場の隠れた実力を再び開花させる

しかし出品したメリヤスぞうりは4000円ほどで、ひと月に作れるのは50足程度。これではビジネスになりません。生産体制をつくってビジネス化するとなると価格を8000円くらいにしないとペイしませんが、そんなに高いぞうりが売れるのか。
「そんな時にたまたまあるマーケティングを目にしたのです。それは40歳代独身女性が1年間に室内履きに5000円かけるというデータでした。このぞうりは洗えて長く使えるし、ターゲットに合ったデザインにすれば8000円でも売れると考えました。ポイントはデザイン。それで北欧テイストのデザインにすると決め、同時にブランディングすることを決めて、“MERI”ブランドを立ち上げたのです」(小高氏)
生産体制を整えて2012年5月、メリヤス製ぞうりのルームシューズ“MERI”として発売。コシがあって肌触りが気持ちの良い室内履きです。和風の伝統製品の感覚が外国人にも受けそうでした。そこで、2013年1月にJETROに橋渡ししてもらってパリの展示会(メゾン・エ・オブジェ)に出展し、その後台湾、香港の展示会にも出展しました。
パリの展示会は一度出展エントリーしたものの落選していたのですが、コンセプトとデザインを一新した“MERI”によって出展に成功しました。これがその後の海外での販売に結び付いたのですが、それ以外に、日本のバイヤーがゆっくりと“MERI”を見てくれたという収穫がありました。その後は国内の展示会にも有名店のバイヤーが来てくれるようになり、多くの百貨店の催事への出品、成田空港からの出店の誘い、メディアの取材へとつながりました。

この間2013年10月に分社してオレンジトーキョーを設立、2014年7月成田空港店オープン(期間限定のため後に閉店)、2014年9月に両国の本店兼工房の「MERIKOTI」がオープンと続きました。この『MERIKOTI』は、北斎美術館と江戸東京博物館を結ぶ北斎通りに面していいて、外から見える店内には70年前の編み機を2台置き、実際にぞうりの材料となる紐を編んでいます。お店は2016年の北斎美術館のオープン前にリニューアルしています。
また、2014年にメリヤス靴下『TUTUMU TOKYO 1948』を企画、発売しました。
「MERIの販売シーズンは夏で、冬は売れません。そこで経営を安定させるため、オリジナルの指割れ靴下を開発しました。色使い、デザイン、柄を考えたおしゃれに履ける靴下で、足袋型や五本指など指先が割れています。手袋を作るメーカーに頼んで作っていますが、つま先を筒状に編むのでふつうの靴下と違って縫い目がありません。柄と編地の組み合わせにかなりの知識が必要なため、プロからもよくやるねと言われます(笑)。うちは面倒くさくて大手がやりたがらないものづくりばかりなので(笑)」(小高氏)

小高氏は同社のWEBサイトで、この国には隠れた強みを持つたくさんの町工場があり、それは私たちの誇りであり宝であり未来だと言っています。その価値を顕在化させるビジネスを探求し、新たなものづくり立国の礎となりたいというのが小高氏の願いです。
「当社は製造小売りという業態で体力が必要です。コンセプトはぶれることなく大きなビジネスにして、かかわる人たちに還元したいと思っています」
と小高氏は今後に意欲を燃やしています。

動画で見る「オレンジトーキョー」

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