株式会社ツバタ

ツバタ

[業種]大分類:製造業 中分類:業務用機械器具製造業 小分類:計量器・測定器・分析機器・試験機・測量機械器具・理化学機械器具製造業

会社紹介 PICKUP特集

すみだのものづくりを支援する精密加工メーカー

ハイレベルな精密加工を追求する部品メーカー

株式会社ツバタは、精密切削加工、研磨加工、丸物加工を得意として、医療用機器の精密部品をはじめとして電子機器部品、機械部品、治工具、金型部品などを製造している精密加工品メーカーです。特に歯科医療機器の精密部品の製造では、大手メーカー各社から技術力を高く評価され多くの取引実績をあげています。
同社は早くから加工機械の本格的NC化に取り組んだことでも知られています。現社長の津幡英夫氏が入社後の1980年代にNC化を一気に進め、それまで手作業で行っていた複数の工程を1台のNC機械に集約することで、加工精度と生産効率を飛躍的に高めたといいます。近年ではMC(マシニングセンター)の多数台導入とCADCAM化に力を入れて、顧客の加工精度・品質への要請に応えるとともに、24時間自動運転の導入などで納期短縮が進んでいます。0.2ミリのミルを使った超精密加工や、ジェットエンジンなどに使われる超合金インコネルや、レアメタルのタンタルの加工にも実績を築いています。

精密加工技術を磨き、すみだのものづくりを守る

  • 磨かれた精密加工技術

    マシニングセンタ、ワイヤ放電加工機、成形研磨機、円筒研磨機を主体として、100分の1ミリクラスの精密加工を日常的にこなしています。

  • 常に研究姿勢を保つ

    従来からの加工技術を大事に受け継ぐとともに、先端を追い求める技術研究を怠ることなく続けてお客様の期待に応えています。

  • ものづくりの歴史を守る

    すみだの町工場が培ってきたものづくりの技術を継承し、製造業の活性化を支援する取り組みを1980年代から続けてきています。

共同受注グループ「ラッシュすみだ」の生みの親

社長の津幡英夫氏は1946年生まれ、父の有限会社津幡製作所を継いで、1986年に社名をツバタに変えて株式会社ツバタを設立し社長に就任しました。
津幡氏は自社の経営にあたると共に、墨田区のものづくりの伝統を守り、多くの町工場が事業を続けていける環境づくりに力を注いできています。1989年には、区内の異業種中小企業が集まった共同受注グループ「ラッシュすみだ」を立ち上げ、その会長に就任しています(現在は名誉会長)。また、墨田区が計画した工房サテライト事業に参画し、1991年に現在の立花のビルに移転しています。工房サテライト事業とは、区内の伝統工芸の工房や小メーカーの工場が集まる場(ビル)をつくり、ものづくり事業の活性化を図ろうとするもので、津幡氏は自ら理事長となって「協同組合テクノネットすみだ」を設立し、組合会社15社と共に新設されたビルに入ったのです。
「ラッシュすみだ」は、津幡氏が知り合った町工場の二世たちが結集して、優れた技術の継承と異業種が連携した新たな受注の創出を目指しました。グループ内では各社の自由、自立を重んじ、案件ごとに自分の持つ技術を活かして参加するという、地域での新しい産業振興の取り組みとなったのです。この取り組みは、わが国初の共同受注グループとも言われ、全国からも注目を受けました。津幡氏が各地でから講演を依頼されるということもありました。



その後、環境の変化に合わせてグループと取り組みの再編を行い、現在は共同受注以外のオリジナル製品の共同開発、デザイナー集団と協力したオリジナルブランド商品の開発に力を入れています。そして今でも、津幡氏のもとには、各地から企業経営者、商工会、自治体の担当者などが、中小企業の共同化、後継者問題、地域おこしなどの意見を聞きに訪れています。

すみだのものづくりの火を絶やしてはいけない

株式会社ツバタはネット上に自社ホームページを持っていません。取引先との付き合い方に、あるこだわりを持っているためです。
「今はいちいち会わなくてもネットで営業ができてしまいます。だから、できない仕事も引き受けて、他へ流してマージンを取るという会社も出てきます。私は、実際に会って直にやり取りをして、長いお付き合いをしていくものづくりをしたいと思っています。ネットで値段を比べて発注して、それ1回だけの付き合いではいいものづくりができるとは思えません」(津幡氏)
深みのあるものづくりをしたいから、ホームページは作らないと津幡氏は言います。そしてもう一つ、こだわりを持って考えているのが、若い人たちにものづくりへの参加と技術の継承を担ってほしいということ。
「何十年、何百年の歴史のある技術を持っている人がいるのに、継ぐ人も従業員もいないというところがあります。人材を育てて残すことが大事です。それには技術を隠してしまってはダメで、町工場は自分を伸ばすために、近くの異業種、遠くの同業種と付き合って、技術やアイディアを見せ合って学ばないといけません」
と津幡氏は力説します。さらに、ものづくりの現場で働く若い人に、プライドを持ってもらえるようにしないといけないとも。
「以前、ベイエリアでビル建設の現場で働く若者に話を聞いたら、みんなプライドを持って仕事をしている。ビルは目に見えるし残るからかもしれません。我々の作るものは部品が多く、どこで使われるか知らないことも多いので、作る喜びを実感するのが難しいのかもしれません。しかし、若い人にプライドを持ってもらい、ものづくりに参加する仲間を増やさないといけません。行政の援助も必要ですし、一緒になって頑張っていきたいです」
と津幡氏は、まだまだ、すみだのものづくりの火を受け継いでいく環境づくりに一生懸命です。

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担当者戸田博宝
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