有限会社チバプラス

チバプラス

[業種]大分類:製造業 中分類:プラスチック製品製造業(別掲を除く) 小分類:工業用プラスチック製品製造業

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小型プラスチック部品の射出成形に強みを持ち、自社製品の開発にも意欲

トラバース設置の射出成形機で品質と納期を守る

チバプラスは、プラスチック製品・部品の射出成形専業メーカーです。製品分野は自動車部品、文具、玩具の部品など小サイズの成形品が中心で、中ロット程度の量産をメインに引き受けています。
同社があるのは、隅田川に掛かる白髭橋のたもとに程近い、棟続きに工場が並ぶ共同利用の工場団地の一画。住宅から離れているため、区内では珍しく夜間の稼働もできるようです。備えている射出成形機は5台で、50tと75t、100t、130tの横型油圧式が4台と100tの電動式が1台です。これに付随して、成形品取り出しロボットのトラバース、成形機や金型を冷却する循環水の温度管理をするチラー(冷却装置)、樹脂材料の脱湿乾燥機を装備し、自動化による納期の短縮と高い品質の維持を可能にしています。
同社は1968年の創業で、1980年代には限られた顧客メーカーに向けた自動車部品の量産で業績を伸ばし、2工場による生産を行っていました。その後バブルの崩壊、2006年のリーマンショックを経て自動車部品生産が大きく後退しましたが、事業規模を縮小して多業種から社数多く受注を開拓する方向へと転換をはかり、経営の回復を達成しています。
同時に異業種コラボによる自社製品開発にも意欲を示し、その第1号となった『お皿まな板』(*)は「すみだモダン」のブランド認証を受け、経済産業省クールジャパン365プロジェクトの商品にも選ばれています。



射出成形を基盤にネットワークを広げる

  • 安定品質による射出成形

    製品分野は問わず中ロット量産を得意とするプラスチック射出成形メーカー。安定した品質での成形と、最適な成形法の提案による短納期化が可能です。

  • 協力企業との一貫加工

    他の加工技術を持つ企業や異業種企業との広いネットワークがあり、二次加工や自社だけではできない仕様の注文にも一貫対応が可能です。

  • 自社製品開発にも挑戦

    受託生産の仕事をメインにしながら、自社ブランドの新製品開発にも挑戦し、異業種の人材とのコラボレーションによる商品化を目指しています。

リーマンショックを乗り越えて多くの顧客を開拓

「もう、売上のほとんどが数社との取引というやり方はやめて、多くの取引先からバランスよく受注しないとだめだと考えました。チバプラスと社名を変え、パートさんにも時短をお願いし、古い成形機10台と金型も処分して、第2工場を統合して今の場所を借りて…と、一気に事業を縮小したのです。自分の若さもあってできたことでした」
そうリーマンショック後の危機を振り返るのは、最近(2014年7月)父豊彦氏から社長を引き継いだ千葉勇希氏です。千葉氏は大学卒業後3年間自動車ディーラーで勤務したあと、1994年千葉化学(現、チバプラス)に入社しました。主な取引先が3社ということにリスクを感じながらも、継続的に入る安定受注があったため、戦略の転換を強くは言えずに10年経って迎えたリーマンショックでした。あっという間に仕事がすべてキャンセルになり、同社はギリギリの改革を余儀なくされたのです。



千葉氏は経営に大鉈を振るう一方で、積極的な新規取引先の開拓をはじめました。納品に行ったついでに営業し、展示会に行き、信用金庫で相談し、機械設備の営業担当にも同社の売込みをしてもらい、フロンティアすみだ塾(*)に入って横のつながりを広げ、新しいお客様を探してどこへでも出かけました。
「当社は語れるほどの技術はありませんが、もともと射出成形は、機械の高度化で技術では差別化しにくくなっています。ですから、私は売りものを納期と丁寧なコミュニケーションにしてお客様を回りました。そのうち、“千葉に聞いてみよう”とか“機械空いてない?”という声がかかるようになり注文が入るようになったのです」(千葉氏)
こうして、リーマンショックから数年後には事業の立て直しが見えたのでした。



『お皿まな板』の次の自社製品開発を準備中

「町工場ですから“請け仕事”を捨てるつもりはありませんが、自社での開発もやりたいと思っています」
と千葉氏は言います。製造するのが一般ユーザーの目には触れない部品類ということがあるため、チバプラスの名前で多くの人に届く自社製品をつくりたいというのです。その第1作目のきっかけは2009年の墨田区“ものづくりコラボレーション”への参加でした。これは、区内のものづくり企業と第一線で活躍するクリエーターやデザイナーがコラボして、オリジナリティある商品開発を行う場です。ここで、女性デザイナーの提案と千葉氏の提案が合体し、まな板に使った後、そのままお皿になるというプラスチック製『お皿まな板』が生まれました。
「ただ、提案はしましたが製造に射出成形はマッチしません。そこでうちはプロデューサーとして関わることになり、生産の手配と商品化に向けたブラッシュアップを進めました」(千葉氏)
そして、前記のように『お皿まな板』はクールジャパン商品にも選ばれ、2012年のパリの展示会でも販売されたのです。その後、早稲田大学のゼミとの交流でさらに改良され、避難時に使う食器という防災グッズとしても販路を広げています。
「次の自社製品も家庭用品を2、3点考えていて、流通や商品開発の仕組みについて勉強が必要だと思っています。もちろん“請け仕事”の営業にはもっと力を入れて、機械の稼働率を上げていきます。その上で楽しい開発をやっていきたいと思います」
と千葉氏は自社製品への期待を力強く表明しています。

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