有限会社大里化工

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[業種]大分類：製造業　中分類：プラスチック製品製造業（別掲を除く）　小分類：工業用プラスチック製品製造業

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企画・開発から設計、試作、量産までを支援

大里化工は、1960年設立のプラスチック射出成形メーカーです。しかし、本業と並んで同社が力を入れているのは、商品開発の支援事業。「こんな物を作りたい」というアイディア段階から企画・開発を手伝い、CADでの設計、材料選定、試作と問題検討、金型製作のアドバイスまで行うというビジネスです。
同社の射出成形の主力製品は70年代までは玩具、80年代は家電製品の部品でしたが、いずれも海外へと生産がシフトする中で受注は減少しました。87年に2代目社長に就いた谷和雄氏は、その頃から「このままでは日本のものづくりは駄目になる」という危機感を抱いたといいます。
そこで考えたのが、「中国ではできないデザイン、設計の部分に力を入れよう」ということ。得意先と一緒に企画・開発を行い、設計、量産につなげるという事業スタイルをとり入れ、自社開発での商品も多くつくりだしました。
その中で谷社長はデザインとマーケティングの重要性に気づき、自らも勉強しながら人脈を築き、必ずしも本業に連動しない“開発のお手伝い”をビジネスとして行うようになったのです。金型と射出成形に精通した商品開発のパートナーには、今、さまざまな分野から相談が寄せられるようになっています。

１．レタートレー【試作品】、２-4．次世代自動車模型【試作品】、５．将棋ゴマ【試作品】、６．iPod shuffle用アルミケース【自社開発】７．iPod nano用プロテクトケース【自社開発】、８．Pod nano用スピーカー【試作品】

ものづくりの指南と幅広い加工技術

商品開発のお手伝い

ものづくりのプロの立場から企画・開発、設計、試作を支援します。谷社長のアドバイスとアイディアが、売れる商品づくりの力になります。
超耐熱樹脂の成形技術

プラスチック製のターボチャージャー部品をセットメーカーとともに開発し、超耐熱樹脂の成形技術を確立しています。
金属加工の製品も可能

地元の協力会社のネットワークがあり、金属加工を含めた製品の開発、設計から量産までを一貫して受託することができます。

卓上撮影スタジオの「フォトラ」を開発

大里化工のコンシューマ向け本格的自社開発製品が、「フォトラ」(正式名フォトライトボックス)です。平成20年、谷社長が商品開発の勉強のため半年間参加した「事業化チャレンジ道場」(東京都中小企業振興公社主催)で課題として取り組んだもので、その後工業デザイナーの木全賢(きまたけん)氏と協力して2年をかけて商品化に至りました。
これは、もともと大のカメラ好きだった谷社長が以前から考えていた本棚にしまえる照明セットで、「射出成形製品のサンプルの撮影をするので仕事でも必要」(谷氏)だったのです。この開発は、「平成21年度ものづくり中小企業開発等支援補助金」の交付を受け、平成23年にその成果実例集にも掲載されました。また、平成22年度の第5回TASKものづくり大賞も受賞しています。TASKは、台東区(T)荒川区(A)足立区(A)墨田区(S)葛飾区(K)の５区共同の産業活性化プロジェクトです。

「今まではつくることを考えて、売ることに失敗していました。フォトラは売ることを考えてつくった商品です。今、売れるものづくりが大事になってきています。どんなものをつくるか、デザイナーや流通と話ができる人を入れて努力しないといけません」と谷社長は話しています。

多くの人を手助けして日本のものづくりを元気にしたい

谷社長は、開発支援の依頼者にまず言うことがあると言います。量産で必要になる金型製作のことで、「お金がかかりますが、それでもやりますか」という確認です。「製造について知らない方が多いのです。それで、最低これだけは知って欲しいと考えて『ゼロからわかるプラスチック』を作りました」(谷氏) これは、射出成形の基礎を教えるホームページで、高校の先生から授業に使いたいという問い合わせが来るほどだそうです。谷社長自身、プラスチック技能の東京都優秀技能者(東京マイスター)に選ばれていますが、そのものづくりにかける思いが伝わってきます。つくること、売ることに理解を深めてもらい、多くの人のものづくりを手助けして日本のものづくりを元気にしたい、ということが谷社長の願いのようです。