株式会社中信理化製作所

ナカノブリカセイサクショ

[業種]大分類:窯業・土石製品製造業 小分類:ガラス・同製品製造業

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見て楽しい超電導の実験装置を開発するガラス加工会社

手軽に超電導を体験できる実験装置を開発

中信(なかのぶ)理化製作所は、昭和2年(1927年)創業という歴史のあるガラス加工販売会社です。昭和8年に細菌培養器の中里式シャーレを発明し、これが当時の検疫所や海軍病院の指定品となって会社は隆盛したそうですが、終戦によりそれも終わり、以降、シャーレやフラスコといった理化学用のガラス器具や、工業用ガラス部品、関連する機器、材料の製造・販売を行ってきています。
今も事業の柱はこの“ガラス”にあるのですが、じつは近年、力を入れて取り組んでいる新事業があって、それが超電導現象の実験装置の開発、販売なのです。この超電導関連で現在製品化されているものとしては、高温超伝導(超電導)実験キット、超電導浮上鉄レールコースター、高温超電導鉄レール、超電導浮遊地球儀、高温超電導バルク材、高温超電導線材などがあります。
高温超伝導実験キットというのは、小型の断熱箱の中で、液体窒素で冷却した円盤型超伝導材の上で磁石が浮上するのを見ることで、簡易に超電導のマイスナー効果(*2)とピン止め効果(*3)が確認できる実験装置セットです。高校や大学での実験に使ってもらおうと、一式3万円という低価格で販売していますが、実際には企業の超伝導研究開発部門での購入も多くある製品です。
超電導浮上鉄レールコースターは、小さな磁石を3列に敷き詰めた線路の上を、超電導線材が浮上滑走する様子が見られる実験装置です(写真参照)。また、超電導浮遊地球儀は、超電導体を底に置いた紙コップの下で、北極点に磁石を付けた地球儀がくるくる回り続けるのを見て、超電導現象を考えるきっかけにするという実験装置です。いずれも、学校での学習やイベント、科学展や企業の展示会などで利用されています。
山梨実験線で試験運転が行われているリニアモーターカーによって、一般でも再び超電導への関心が高まり、同社の実験装置も注目を集めています。





ほかではできない実験装置を作る

  • 超電導実験装置の開発

    生徒や学生をはじめ、多くの人たちに超電導に関心を持ってもらい、未来の技術開発に貢献したいという想いから、実験装置の開発を始めました。

  • レールコースターの販売

    見た目にも不思議で楽しい超電導浮上鉄レールコースターですが、こうした装置を商業ベースで製造販売しているのは、恐らく同社だけと思われます。

  • ガラス加工の伝統

    ガラス基板の薄膜塗布や半導体回路の製作など、機能を持たせたガラス製品のファブレス製造を行い、ガラス加工の伝統を受け継いでいます。

超電導工学の研究者からの協力で開発を進める

超電導実験装置の開発のきっかけとなったのは、社長の中里紀雄氏が、理化学用器具の納入先だった新日鉄(現、新日鉄住金)の研究所で、超電導を研究していた村上雅人氏(現、芝浦工業大学学長)と知り合ったことでした。
「はじめは6年前に、超電導のデモンストレーション用に、大きな地球儀をぶら下げるキットを作りました。鉄板に磁石を20個くっつけて、人を乗せて浮き上がる装置も作って、環境ショーでデモをやりました。その後も村上先生にアドバイスしていただき、超電導工学研究所や芝浦工業大学などにも教えていただきながら、実験装置や展示品の試作販売をしてきたのです」
と中里氏は話します。このような超電導関係の実験装置や展示品を専門的に製作できるところは、同社以外にはまだないようです。



「これからも学校向けの実験装置をもっと作りたいと思っています。超電導の材料は大手メーカーでしか製造できませんしまだ高額ですから、同じような装置やキットを作っても、他社では学校で無理なく購入できる価格で提供することは難しいと思います。幸い当社は、長いお付き合いから、少量の超電導材料も比較的低価格で仕入れられるルートを持っていますので、学校向けの実験装置も可能と考えています」
と中里氏は今後の展望を語ります。
超電導浮上鉄レールコースターのレールでは特許も取っていますが、儲けようと考えてのことではないと言います。
「あとから似た技術で特許を取られて、私たちが目指している手軽に使える実験装置の開発や製造が難しくなっては困るからです。私たちは、超電導の可能性を世の中に知ってもらうための窓口になっていきたいと考えているのです」

すみだのものづくり環境で楽しんでやっていく



超電導浮上鉄レールコースターの製作は、中里氏自身の手作業によるものです。磁石をレールに敷き詰めるために、幅4センチの鉄の板に3本の溝を彫る必要があるのですが、製作上これが一番難しいことでした。 「外注すれば非常に高いものになります。それですみだ中小企業センターに相談したところ、ここの機械を使って自分で加工してはどうかと勧められたのです」
すみだ中小企業センターが行っている機器開放利用サービスで、自社では難しい加工を、センターが備える機械を借りて行えるサービスです。加工を行う際の専用テーブルも、センターの協力でつくりました。
「マシニングセンターの操作法を一から教えてもらって、自分で溝の切削加工を行いました。おかげで低コストで装置を製作することができました。今も毎週機械を借りています」
と中里氏はこのサービスを高く評価しています。
その中小企業センターの機械室で、超電導浮上鉄レールコースターの実演を見せてもらいました。発泡スチロール製の枡にガーゼに包んだ超電導体を入れ、液体窒素を注いで十分に冷却し、ピンセットでつまんでレールの天辺に載せます。わずかに浮かんだ超電導体はレール上を滑り降り、ループを回って反対側に昇るとまた逆戻りしてきます。レールから外れることはありません。マイスナー効果とピン止め効果の実証実験でした。
中里氏はいま、区内の中小企業の有志が進める軽飛行機の自力製作を手伝っています。
「いろいろな専門家がきていて、図面の見かたや加工の仕方など、いろいろ勉強できます。新しいものを作るのが好きなのです」
と笑って言いました。

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