株式会社大関鞄工房

オオゼキカバンコウボウ

[業種]大分類:製造業 中分類:なめし革・同製品・毛皮製造業 小分類:袋物製造業

会社紹介 PICKUP特集

バッグ製造に生かす日本の優れたものづくり

手間を惜しまないこだわりのバッグメーカー

大関鞄工房は、メイドインジャパンにこだわって、丁寧なつくりの質の良い皮革製バッグ類を製造している革製品メーカーです。製品の8割ほどは有名ブランドを中心にしたOEM生産品で、北海道から九州までのデパートや専門店で販売されています。その一方で、小ロットでの受注製造や、オーダーメイドによるプライベートバッグの製作も行っていますが、4年前には自社ブランド「Squeezeスクイーズ」を立ち上げてデザインからのバッグ製造も始めました。工房と直結した店舗「Squeeze」も開設し、お客様の声を直に聞いていく場としています。
同社のメイン製品は女性向けのハンドバッグ、トートバッグなどですが、男性向けも作りますし、バッグに限らず財布、ベルト、小物類まで、ちょっとアイディアを加えた独自製品をいろいろ作っています。
そのバッグの特長は、ほかにないほど軽くて丈夫なこと。同社では、ふつう厚さが1.8ミリ程度ある牛革も、1.1~1.0ミリまで漉いて使います。これが軽さの秘密。しかし、薄くすればそれだけ、しっかりとした成形や耐久性のある製品づくりは難しくなる。そこに、皮の選定にはじまり裏側の見えないところに様々な手をかけていく、職人のこだわりが生きてくるのです。見えない部分に作り手の心が現れ、見えない部分に手間を惜しまないことが「見た目」を支えている、というのが同社のバッグづくりへの考え方です。




長く使える良いものをつくるこだわり

  • 革製品の確かな技術

    革製品の製作技術に高い評価を得て、多くの有名ブランドにOEM提供した革製バッグは、大手百貨店に並ぶ。

  • 隠れた手間をかける

    デザインの良さだけでなく、丈夫で型崩れしないバッグづくりのために、見えないところで様々な工夫と手間をかけています。

  • 工房直結のショップ

    JR両国駅から徒歩10分の店舗「Squeeze」は工房の作業が覗けるつくりで、お客様との気軽なコミュニケーションを目指しています。

メイドインジャパンのものづくりを大切にする

日本のものづくりを大切にしたいと言う、代表取締役の大関敏幸氏。本物の良さと職人たちのものづくりへの取り組みを、もっと多くの人にわかってほしいと考えています。
「日本の女性向けバッグは入れ替わりが激しくて、1年に4回の展示会で流行を追っています。世界の3大ブランドは20年前のモデルもまだ売っていることを考えると、どうなのだろうと思います。使い捨てをしないで、長く使える本物を見る目を養ってほしいと思いますね」(大関氏)
そして、職人の手による製品は時とともに育っていくと見ています。
「大量に販売するメーカーは、50個売れれば、次はいかに効率よく500個つくるかを考えます。職人は50個作ったら、次に作る50個はもっと良くしようと考えます。職人が作るものは、多く作るほど良くなっていくものなのです」(大関氏)
店舗のSqueezeではバッグの修理にも力を入れていますが、そこにはこうした大関氏の考え方が反映されているのです。



修理は、縫いをほどいてまた縫い直すので、手間は2倍かかりますが、「直してでも長く使いたいバッグを提供する手前、高い料金はいただけません」と笑います。
昨年からJTBの「旅いくプログラム」の“アウトオブキッザニアinすみだ”に参画しているのも、子どもたちにものづくりの喜びを知ってほしいから。同社の工房で月1回程度開催し、子供たちがパーツを選んで自分だけのバッグづくりを体験します。
「パーツは必ず自分で選ばせます。お母さんに相談させません。そうすることで出来上がった時に感動があるのです」
と大関氏は、自分自身が子ども時代から馴染んできたものづくりの経験を次の世代に伝えようとしているようです。ある大学の教育学部とも、特別支援学校の仕事体験に応用できないか検討中です。

職人の技術にアイディアを加えたバッグづくり

同社は、皮革製品づくりにアイディアや遊び心を注ぎ込むことにも積極的で、常にいろいろなトライアルや試作を行っています。うなぎ革のベルトが店舗にあったり、工房の棚にはトカゲの革や超高級ワニ革があったり。甲州印伝も使うそうです。甲州印伝は鹿革に漆で文様を施したもので、伝統工芸品に使われています。
大関氏もいろいろアイディアを出しては職人に製造を頼んでいます。これまでのヒット作は、薄いけれど抜群の収納力のサイフ。
「カードは24枚入り、お札も出し入れがスムーズにできて、小銭も中で散らからず取出しも簡単。しかもポケットに入れてもかさばりません。これもいろいろ見えないところに手間をかけています」 と大関氏が自慢します。いま温めているアイディアは、バッグの底の角の擦り切れをどうやって防ぐかというもの。「これは絶対いける」と大関氏は自信満々ですが、現場の職人が首を縦に振ってくれるかどうか、説得工作中のようです。
その工房の現場では昨年、80歳まで働いた職人が退職しましたが、大関氏の父である会長は、同じく80歳にして現場の現役として仕事を続けています。
「給料がいいとは言いませんが、やろうと思えば80歳でも続けられる仕事なのです。うちは若い社員も多いので、日本のものづくりの良さを継承する会社として、長く良い製品づくりを続けたいですね」(大関氏)
型紙作成、裁断、縫製、加工という作業を一通りできるようになるまでには、7年から10年かかるという革製品の職人の育成。大関鞄工房は、若手社員を育てながら、アイディアと職人のこだわりのあるメイドインジャパンの本物のバッグをつくり続けます。



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