株式会社吾嬬製作所
アズマセイサクショ
[業種]大分類:製造業 中分類:プラスチック製品製造業(別掲を除く) 小分類:その他のプラスチック製品製造業
高精度なプラスチック真空成形で競争力を発揮
吾嬬(あずま)製作所はプラスチックの真空成形加工を専門とするメーカーです。主な製品は、工場の製造ラインで使われる部品搬送トレーや、化粧品や雑貨を魅せて販売するブリスターパックなどのプラスチックパッケージ類。立体的な地形図やPOP製作など、印刷を施したシートの立体成形も行えます。
真空成形は、熱して柔らかくした樹脂シートを金型に被せ、空気を抜いて金型に密着させて成形する工法です。金型費など初期費用が射出成型に比べ安価なこと、金型の製作期間が短い為、製品化までの立ち上げが短期間であることなどに優位性がありますが、吾嬬製作所は、この優位性に加え寸法精度の向上にも力を注ぐなど、従来の技術をさらに一歩高めて独自の競争力を磨いています。
1.部品搬送トレー、2.ブリスターパック、3.各種プラスチックパッケージ類、4.印刷成形
型の設計、製作から真空成形までの社内一貫生産
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3DCAD/CAMでの設計から協力
最大の強みは、型の設計から自社で行えること。3DのCAD/CAMも導入し、同時3軸制御の高度な型の製作や短納期のサンプル試作などに対応しています。
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真空成形機10台を装備
同社は真空成形機を10台(内3台は連続加工機)備え、少量多品種生産を同時並行で進めます。また金型製作用にNCマシニングセンターも備えています。
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ノウハウと提案力が特色
お客様の難しい要望でも、限られた時間の中でそれを実現するための提案やアイディアが出せるのが大きな特色。スタッフの豊富な経験が生きています。
できないと言わないための発想力がある
専務取締役の松村昌幸氏はこの会社の4代目となりますが、いまは現場に立ちながら事業継承にむけて社長からは経営面も勉強中です。
「子供のころは工場が遊び場で、端材を集めていろいろ作って遊んでいました。商学部出身なのですが、ものづくりは子供の頃から馴染みがあるのでCAD/CAMも苦手意識はなかったですね」(松村氏)
そんな松村専務のものづくりへのこだわりは、「できないと言わない」という身上にも表れています。その実力は、高精度な部品トレーの作製で悩んだ大手自動車メーカーが、「これは吾嬬しかできない」と頼んでくるほど認められています。
「設計段階からお客様とディスカッションしながら、ほかと違う発想を出せることが強みだと思います」と松村専務は言います。
デザイナーとのコラボレーションにも挑戦
同社では、真空成形を使って、デザイナーの作品づくり、商品づくりに協力するという活動もしています。
デザイナーの大森謙一郎さんと共同企画した『クレータークロック』では、滑らかな曲線と温かみを表現できる材料を探し出すのに大変苦労したそうです。また2011年には、デザイナーの高橋正実さんと墨田区観光協会の江戸時代風袖看板を製作して、日本サインデザイン協会の平成23年度サインデザイン奨励賞を受賞しました。
「デザイナーさんが関わることで、真空成形にもまた違った方向が見えてきました。デザイナーさんとのコラボレーションにはこれからも挑戦していきたいですね」と松村専務は楽しそうに話します。
技術の融合で他にできないものを目指す
松村専務は2008年から墨田区内の後継者育成塾“フロンティアすみだ塾”の講習会に通い人と人とのつながりや経営についても学んでいます。この塾は、すみだ次世代経営研究協議会が運営する、区内中小企業の後継者育成のためのビジネスス塾です。「地域のいろいろな業種の仲間ができて、仕事上でも得るところは大きい」と話してくれました。
そして、これからの吾嬬製作所について、
「私に代わる営業を育てたいです。設計と現場のことがわかって、お客様とその場で話ができる営業です」
と述べたあと、こう続けました。
「これからは3つくらいの技術を融合しないと競争力のある仕事はできないと思います。当社は、真空成形だけでなく、設計、金属加工、印刷と幅広い知識を持っていることが強みですし、それを生かしてうちにしかできないものを育てたいですね」。
動画で見る「吾嬬製作所」
テクノシティすみだ PICKUP企業特集 vol.2-1 「株式会社吾嬬製作所」
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