有限会社岩井金属金型製作所

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[業種]大分類:製造業 中分類:金属製品製造業 小分類:その他の金属製品製造業

会社紹介 PICKUP特集

少数のプロフェッショナルが育てたプレス加工のオールラウンドプレーヤー

プレス加工に幅広く精通した小規模企業

岩井金属金型製作所は、小規模ながら昭和10年(1935年)の創業という、歴史あるプレス金型とプレス製品のメーカーです。
元々は絞り加工の金型製作が中心でしたが、1990年代以降、抜き成形、曲げ成形、さらに順送りプレス加工などプレス成形全般の金型製作と、それを利用したプレス加工へと進出しています。現在では、小サイズのプレス成形に関しては、金型のCAD/CAM設計から自社内製作、プレス加工の試作と量産、2次加工、組立までをオールラウンドに対応する小回りの利くメーカーとして活躍しています。
同社が実績を誇る絞り加工とは、プレス金型を使って金属板を容器状に延ばして成形する加工。そのうち容器状の底が深い加工は“深絞り”、容器が複数の形状を合わせ持つ加工は“異形深絞り”と呼ばれ、いずれも高い技術とノウハウが必要とされますが、同社は特にこれらを得意としています。
また、簡易金型を使った短納期・低コストのプレス加工が可能なことも、同社の特徴の1つです。これは、メインの金型部分とそれを固定し加工機に装着するベース盤部分を切り離し、注文に応じて金型部分だけを素早く製作してベース盤に取り付けて使うという工法です。金型の耐久性は高くないのですが、大型や複雑な製品を除く小ロットでの加工なら通常の工法と遜色ない製品が得られ、コストも同社内の比較で半分程度に抑えられます。このため少量生産品や試作品の製作には非常に有効です。
少々ニッチですが、六角穴加工も得意技術の1つです。ボルトのヘッドに、六角レンチが入る穴をプレス加工であけるのですが、もちろん大量生産品ではありません。特殊な用途や材質のボルトで少量必要といった場合、熱間鍛造や放電加工ではコストがかかり過ぎるためこの工法が採用されます。あらかじめ丸い穴をあけておき、そこに六角形のパンチを打ち込んで成形するものです。
こうした多様な工法と技術を持っていることを背景に、同社ではプレス加工の現場サイドからの提案やアドバイスの提供を重視し、お客様と共に最適な製品づくりを目指す姿勢を育ててきています。



小型プレス加工にオールラウンドな強み

  • 金型製作とプレス加工全般

    小規模ながらプレス加工については、抜き、曲げ、絞り、深絞りと全般的に対応。金型の設計、製作からプレス加工試作~量産、2次加工まで行います。

  • 低コストの簡易金型プレス

    簡易金型による短納期、低コストでのプレス加工が可能。金型を汎用的な基盤部分と製品ごとの成形型部分に分割し、成形型部分のみを製作します。

  • お客様と共に考える

    お客様の「こういうものを作りたい」を元に、製品のアイディア、最適な材料と加工法を共に考え、希望を実現する製品づくりを行っています。

お客様に寄り添う加工メーカーであること

「20年前に、このままではだめだ、持っている加工技術を使って客先を広げなくては先がないと考えました」
そう話すのは専務取締役の岩井保王氏。1990年に20歳で入社した当時、法人化した同社は絞り金型製造の専業で、化粧品のケースとライターの筐体用の金型が中心でした。すでにライターの生産は下降傾向が明らかで、新規の取引先の開拓が急務だったのです。そこで岩井氏が営業に回ったのは、近隣を避けて遠方のプレスとはあまり縁のない企業。
「近くのプレス屋さんや金型屋さんの仕事は取らないと決めて、足を延ばして、普段はプレス加工を使わないような異業種の会社へ行きました」(岩井氏)
切削加工などの他工法をプレス加工に転換することで、コスト削減につなげる提案をして回り、徐々に注文を増やしていったのです。



経験のない加工も多く、ずいぶん苦労もしましたがおかげで技術の幅も広がりました。
「それでも90年代は苦しかったのですが、2000年にワイヤーカット放電加工機を導入して、金型の加工や2次加工の幅を広げたことで業績が上向きました」
と、岩井氏は振り返ります。リーマンショックの際もそれほど落ち込まずに済んだといいます。
事業展開に新しい道筋を拓いていく中で岩井氏が大切にしてきたことは、「お客様に寄りそって合わせる」姿勢です。「同じ抜き型1つでも、お客様によって求められるものは違う」(岩井氏)ということ。それをつかみ取って、共に実現していくことで信頼が得られると考えています。

自社のオリジナル機械でのものづくりを

面白いのは、どこにもできないもの、要求度の高いもの、そして、「ハヤリの製品の部品をつくるとき」と言って岩井氏は笑います。今後やってみたい製品分野は、「マニアックな科学技術、医療機器、航空宇宙関連」だそうですが、ISOの認証取得が条件となるので、早くトライできる企業規模にすることが目標の1つです。そのためにも、「収益を伸ばし内部留保を確保し、従業員を増やしたい」と考えています。
そして、もう1つ目指したいことが、機械設備の自社製作。
「既存メーカーの機械を買うのでなく、自社だけのものづくりを実現する機械を、自社で設計製作していきたいのです。日本のメーカーが生き残っていく1つの方向だと思っています」
と、岩井氏は将来への夢を語っています。

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