株式会社浜野製作所

ハマノセイサクショ

[業種]大分類:製造業 中分類:金属製品製造業 小分類:金属素形材製品製造業

会社紹介 PICKUP特集

試作1個から特急納品対応で、元気なモデル町工場へ

少量多品種、短納期、開発提案でお客様サポート

浜野製作所は、精密板金加工、プレス加工、溶接といった金属加工技術を備えて、試作品1個からの製作も引き受ける少量多品種生産型の金属加工メーカーです。道を挟んで建つ本社板金工場とプレス・金型工場の2つのビルがあり、工場内にはマシニングセンタ、ワイヤカット放電加工機、レーザー加工機、YAGレーザー溶接機、タレットパンチプレス、NCベンダーといった新鋭機をそろえて、設計(3D CAD)から加工、組立までの社内一貫製作が行えます。
他社では無理と言われるような超特急での注文も引き受けてきた同社では、月間の製造品が1000種に及ぶ多品種生産をこなしているといいます。その生産管理をシステム化するのと同時に、毎日始業時と午後3時の2回、部長を含めて製造担当者が集まって進捗と予定を確認し、その場で作業と人の配置の調整を行っています。また、ノウハウと経験を生かした加工法の提案が、お客様の開発やコストダウンを助けることもしばしば。従来切削加工で作られていた、複雑な形状のチタン製やステンレス製の医療器具を、プレス加工に転換することで製造コストを10分の1にした例もあります。



技術力と社内の活気が強み

  • 試作品1個から特急製作

    板金、プレス加工に加え、マシニングセンタ、ワイヤカット機など多彩な加工機による複合加工で、厳しい納期の試作品製作にも応えています。

  • 3Sと改善活動を徹底

    全社員参加の3S(整理・整頓・清掃)活動と改善提案活動に力を入れています。工夫を凝らした手製のグッズも社内のあちこちに見られます。

  • 全員多能工を目指す

    全社員の力量を明確にし、体系的な教育訓練計画と職場ローテーションで、全員の技能検定1級取得と多様な技術を持つ多能工化を推進しています。

「おもてなしの心」をモットーにお客様の役に立つ

社長の浜野慶一氏は、父の嘉彦氏が1978年に興した浜野製作所を、嘉彦氏が亡くなった1993年に29歳で継ぎました。しかし、従業員が2人の零細工場は、受注が海外へ移って先細りが確実。そこで6年後浜野氏は、精密加工機を導入した新工場を立ち上げて試作など単品ものの製造にシフトすることを決断し、年間売上高の10倍という融資を受けて工場建設に取り掛かかりました。
ところがその完成を控えた2000年6月、旧工場が火災で全て焼失してしまったのです。しかし浜野氏はめげるどころか、被災したその日のうちに不動産業者で仮工場を探し出して賃貸契約し、取引先を回って翌日から業務を再開。焼け跡から2000個の金型を回収して懸命に再生し、3カ月後には新工場も完成させて事業のシフトにかかりました。ところが・・・
「客先回りしても、どこも単品ものの発注先は決まっていて駄目。単品の試作なら新規事業でいけると思っていたのですが、もう他社がやっていることだったのです」
と浜野氏は振り返ります。



新工場も開店休業状態でした。そして、しつこい営業が嫌がられるようになってきたころ、ある訪問先で担当者に手招きされたのです。
「これ特急でできない?と言われました。もちろん引き受けて、納期1週間のところを5日で仕上げました。既存の取引先では急ぎに対応できなかったため、私に聞いてきたのです。お客様は納期で困っている。よし、短納期で勝負しよう。その時方向が決まりました」(浜野氏)
そこから紹介とWebの活用でお客様が増えていき、やがて同社の急成長へとつながりました。その頃、浜野氏が社内の一体感をつくり出そうと固めた経営理念が、
「“おもてなしの心”を常に持ってお客様・スタッフ・地域に感謝・還元し、夢(自己実現)と希望と誇りを持った活力ある企業を目指そう!」
というものでした。
「おもてなしの心は、サービス業でもメーカー業でもどんな商売でも同じように大切です。素晴らしい技術があると言う前に、お客様の役に立ってはじめて商売になるということです」
と浜野氏は話します。

産学連携など外部交流が社員を育てる

同社は新工場が軌道に乗った頃から、大学生のインターンシップ研修を行っています。墨田区は以前から早稲田大学と包括的連携協定を締結して産学官連携事業を進めていますし、浜野氏も参加する若手経営者養成の「フロンテイア墨田塾」は、一橋大学大学院の関満博教授が塾頭を務めています。そんな関係から浜野氏は大学生を自社に招きました。
「実務経験の題材としてすべてをオープンにして、この会社の経営改革を提案するという課題を与えました。学生たちがわからないことを現場に聞きにいくと、従業員も一生懸命説明をしてくれます。ばらばらだった従業員たちも、学生がいることで会社のことを考えるようになっていったのです」(浜野氏)
これが浜野氏のインターンシップの狙いの1つでした。その後同社は、早稲田大学と墨田区が連携する次世代モビリティシステム開発の「HOKUSAIプロジェクト」や、東京の中小企業と芝浦工業大学、東京海洋大学、海洋研究開発機構が連携する簡易型深海探査機開発の「江戸っ子1号プロジェクト」にも参加し、産学連携に積極的に取り組んでいます。
「2012年の4月に入社した大学院卒の女性が、この江戸っ子1号のプロジェクトリーダーをやっています。違う世界の人と一緒に何かをやることで成長してほしいのです」
と浜野氏は期待を込めます。そして、浜野製作所の将来についてはこう語ります。
「最終目標は経営理念そのままです。この会社はすみだで生まれ育って、お世話になってきました。それを感謝して還元していきたいと思います。みんなが幸せになれるようなものづくりをして、社員の家族にも浜野製作所の社員でよかったと思われる会社になることが望みです」。

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