株式会社エーエス

エーエス

[業種]大分類:製造業 中分類:生産用機械器具製造業 小分類:その他の生産用機械・同部分品製造業

会社紹介 PICKUP特集

防音・防振・免震のソリューション提供でユニークな位置を築き世界を目指す

音と振動の制御技術で成長したユニーク企業

株式会社エーエスは、騒音と振動を制御する技術を核にして、防音・防振と免震というカテゴリーで事業を構築し、それぞれの装置とシステムの開発で発展してきているユニークな企業です。1978年に橋本ゴム工業(現社名・ハシモト)のシステム機器部門を母体に設立され、3年後に資本系列を離れて独立企業となりました。現社長の早川政光氏は社長としては3人目、大手ゴムメーカーで防振装置の開発に携わっていた経験があります。
「当社は開発、製造、据付までを行うメーカーですが、工場は持っていません。実際の製造はアウトソーシングしていますし、据付もアウトソーシングです。ただし、お客様に提供するのはハード(製品)だけではなく、それぞれの課題に応じた最適なソリューションを設計して提供しています」
と早川氏は話します。つまり、防音、防振、免震のニーズは、その対象物、環境、要求レベルなどが千差万別。案件ごとに詳しい調査、分析を行い、自社の技術と製品だけでなく、汎用品も加えて最適なシステム構成を提案していくのが同社の事業なのです。
同社では、防音・防振分野は、主に産業機械に対しての作業環境改善や近隣の生活環境改善を目指す「環境事業」と位置づけています。また、免震分野は、事業所、美術館・博物館、戸建住宅など幅広い機器や建造物を対象に、人命、財産、文化財、情報財を地震災害から守る「免震事業」としています。いずれも、今後国内だけでなく広く海外でもニーズの拡大が見込まれる事業ということができます。



技術ノウハウと独自製品で高い評価を獲得

  • 防音・防振システム

    産業機械から発生する騒音や振動を外部に伝えない。そための技術ノウハウに卓越したものがあり、大手工場への多くのシステム導入実績があります。

  • 独自の免震システム

    地震の揺れを低減する独自の構造(特許取得)を開発し、ASTCR免震システムとして提供しています。特に美術・博物館では高い知名度があります。

  • 調査からの一貫サービス

    同社では、防音・防振・免震のソリューション提供を、調査から測定、解析、設計、製作、施工、効果確認までの一貫サービス体制で実施できます。

免震システムは国立博物館でも採用の実績

同社の防音システムは、プレス機など大きな音を発生する産業機械を対象に、騒音を低減して工場内の作業環境を改善することを主な目的にしています。このシステムでは、自社で開発した各種の仕様を標準化している防音パネルを組み合わせ、機械全体を囲うことで音の外部伝播を-10~-30dB低減することが可能です。導入事例を見ると、高さ6メートルほどもある巨大な囲いから小部屋といった趣のものまで実にさまざま。機械メーカーへの納入と、機械のユーザーへの直接納入の2通りがあります。
騒音規制法に基づくガイドラインでは、等価騒音レベル85dBを超えると作業者に耳栓など防音保護具を使用させる必要があります。作業効率も低下するため、防音対策が大きな課題となるのです。
「ガイドラインのレベル未満になるようにシステムを設計して欲しいという要求が多くあります。大手メーカーで、当社の防音システムが標準となっているところもあります」
と早川氏は胸を張ります。



また、防振システムでは、ゴム製の空気バネ式、多段パッド積層バネ式や金属製のコイルバネ式など多様な方式をそろえて、産業機械や施設そのものの振動対策に応えています。 そして、注目が免震システム。事業化は、独自開発のASTCR免震装置が特許を取得した1995年でした。阪神淡路大震災があった年です。この免震装置は、ゆるい円弧状レールの上を車輪が反復運動して地震の揺れを低減する構造のもの。当初、博物館などで展示物の保護のために採用されました。
「東京国立博物館でも採用され、一時は全国の免震装置導入の博物館、美術館で当社のシェアが80%になりました。国立西洋美術館にある『考える人』の架台内にも当社の装置が入っています」(早川氏)
さらに東日本大震災により、図らずも同社の免震装置の機能の高さが実証され、BCP(事業継続計画)のために、多くの半導体工場に導入されることとなりました。このほか、直下型の地震対策として、上下方向を免震化する技術も備えています。2014年春の開館を目指して建替工事が進む京都国立博物館平常展示館でも、国内最大級の約3000平方メートルの免震床に同社の技術が導入されています。

海外展開によるさらなる成長を目指す

免震システムは今、BCP(事業継続計画)の一環として産業施設への導入も進んでいます。特に、データセンタでサーバラック等を保護するために、同社の免震装置や免震床の採用が増えています。
「今後はこうしたIT系も含めて、海外での事業展開を積極化させます。アウトソーシング先として現地の機械メーカーなどを育てて、パートナーになってもらう必要がありますが、特に中国には大規模な博物館も多く、免震のニーズは高いものがあるとみています」(早川氏) すでに2011年に北京事務所を開設していて、西安碑林博物館に免震装置を納入しているほか、中国、台湾、韓国、イタリアに納入実績があります。設計は同社の技術スタッフが行い、製造、施工は現地企業と協力していく体制づくりが目指されています。
「おかげさまで、エーエスといえば美術館、博物館では知られています。プレス機メーカーでもよく知られています。ただ当社の扱うシステムは、コストで比べると高いと言われることもあります(笑。でも、その価値を評価して、コスト以上のものがあると見ていただけるお客様も多いのです」(早川氏)
目線を高くして、常に高い目標に挑戦することを行動指針としているエーエス。小さいながらも、ユニークで競争力のある技術で、墨田区から世界を目指しています。

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テクノシティすみだ PICKUP企業特集 vol.7-1 「株式会社エーエス」

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