アズマ株式会社

アズマ

[業種]大分類:製造業 中分類:パルプ・紙・紙加工品製造業 小分類:紙製容器製造業

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オーダーメイドによりPASCO BOXを小ロット生産

アズマ株式会社は、パルプや古紙などの木材繊維を主原料にした環境に優しい自然派素材PASCO(パスコ)を用いた「PASCO BOX」の加工・製造をオーダーメイドで行っています。既製品では収まりきらない棚や机下、ベッドの下などのデッドスペースにもピタッと収まる収納ボックスを、用途に合わせてオーダーメイドで製作できることが好評です。 1951年に創業し、現在、代表取締役を務めるのは3代目となる片山淳(かたやまじゅん)さん。創業からしばらくの間は、ファイバー紙(天然繊維を原料とするプラスチックのような硬質な特殊紙)を用いたボックスを主として製造していましたが、1980年代半ばからPASCOを導入し、2000年代後半にPASCOを専門に取り扱うようになりました。創業時に墨田区立花にあった工場は、2016年にキラキラ橘商店街の一角に移転。現在は、商店街の中にある町工場として人々と交流しながら、PASCOの認知度向上にも努めています。 同社は、店舗で用いられるボックスなどの収納・インテリアのOEMによる生産を主力としています。型枠による大量生産を行う大手とは異なり、熟練の職人が寸法出しを行い一つ一つ手づくりするため、1個からの少量生産にも対応できることが特色です。この特色を生かし、近年は個人からのオーダーメイドによる受注やクリエイターとのコラボレーションが急増しています。




昭和のアナログマシンを自由自在に操る職人が、PASCOを世の中に送り出す

PASCOは、原料が自然派素材であるだけでなく、耐水性・耐熱性にすぐれているため、用途が広く、また、耐用年数も長いことが特徴。色が23色から選べることも魅力の一つです。紙を超えた強度、優れた加工性、豊富なカラーバリエーション、そしてSDGs時代に合致したエコな素材(燃えるゴミとして処理でき、また、再生することも可能)ということから、近年、改めて注目を集めています。インテリアから産業資材まで幅広く用いられてきました。同社が製造しているボックスは、主としてファション・雑貨店など、さまざまな店舗で用いられています。
アズマの長所は、熟練の職人たちによる1ミリ単位の手仕事。工場には、断裁機や型抜き機、プレス機、罫線押し機、金具取付け機をはじめ、年代物の機械が約30台、所狭しと並べられています。さながら、昭和の「ザ・町工場」といった雰囲気。最長で約50年のキャリアを持つ職人たちが、これらの機械を慣れた手つきで扱い、PASCOを唯一無二のボックスに加工していくのです。



PASCO BOX 加工における3つのポイント

  • 正確な寸法出し

    型枠なしでの生産を実現するには、正確な寸法出しが基本。コストダウンと小ロット生産を両立するために、必要不可欠となります。

  • 機械の取り扱いに細心の注意

    自動化されていない、手や足で操る機械を使いこなす際、事故による怪我のリスクがつきもの。油断せず、常に細心の注意を持って日々の仕事に向き合います。

  • 丁寧な創り込み

    1ミリ単位の寸法出しを手仕事で再現するために、とにかく丁寧な創り込みが求められます。商品の美しさを左右する、職人の腕の見せ所です。

急増する個人オーダーやクリエイターとのコラボレーション

2016年にキラキラ橘商店街に移転したことは、同社にとって一つの転機となりました。商店街を歩く人たちの目にPASCO BOXが触れる機会も増え、興味をもってもらえる人たちが少しずつ増えていったそうです。コロナ禍において自粛ムードが広がり、ショップからのオーダーが減少する一方、インテリアにこだわりを持つ個人からのオーダーが増えつつあります。「暮らしをより楽しむことにフォーカスする人が増えているのでしょう。ふらりと工場を訪れ、欲しい箱のイメージを詳細に伝えてくれる人が多いですね」と片山代表取締役。 それとともに片山代表取締役が推進しているのが、クリエイターとのコラボレーションです。イラストレーターやデザイナーらによる作品が描かれたコースターの製作に着手し、好評を得ています。油性マーカーを自在に操って作品を制作する鈴木ven達也さん、多様なアプローチで独自の世界観を表現する峰村峻介さん、ゼンタングルアート作家の木内恒治さん、曼荼羅アート作家のうたさん、ドットと曼荼羅を組み合わせた作風のマチコさんなど、墨田区に在住する5人のクリエイターとコラボレーション作品を続々と生み出している最中。さらに今後もコラボレーションするクリエイターは増えていく予定です。


墨田区のものづくり企業とのコラボレーションを追求したい

「PASCOの魅力をもっと世の中に広めたい」と語る片山代表取締役。個人オーダーの需要を喚起する仕組みづくりやクリエイターとのコラボレーションをさらに進めていく一方、「イベントなどを通じて、墨田区に存在する多様な、こだわりのものづくり企業とつながりを持ち、コラボレーションしていくことを考えたい」と前を向きます。異業種と手を組み、独自の小物商品を創り出し、インバウンド需要に応えていきたいというのが同社のビジョンです。 「OEMから一歩踏み出し、オリジナルの製品によって世界に挑戦できるような商品を創りたいと思っています。そのために、多彩なものづくり企業が活動する墨田区は最適な場所です」

取材日:2022年10月27日

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