有限会社オフィスホドタ

オフィスホドタ

[業種]大分類:製造業 中分類:繊維工業 小分類:外衣・シャツ製造業(和式を除く)

会社紹介 PICKUP特集

カットソー縫製メーカーが示す墨田発メイドインジャパンの誇り

スピードとクオリティを誇る カットソーのOEM一貫生産



オフィスホドタは、国技館に近い墨田区横網に本社を置く、Tシャツ、ポロシャツ、パーカーなどカットソー(ニット生地の衣料品)をメインにした縫製加工メーカーです。1割程ですが、カットソーのほか布帛(織物生地)を使ったシャツ、ブラウスなどの製造も行っています。千葉県柏市と茨城県猿島郡にカットソーの自社縫製工場を持ち、製品の大部分はOEMでの受託製造ですが一昨年から自社ブランドによる製造もスタートさせています。
製品全体のおおまかな構成はメンズ50%、レディース40%、その他10%というところです。それを自社一貫製造でスピーディに作り出すのが同社の一番の特長です。OEMでは、デザインは発注側が行いますが、それ以降のパターン作成、生地と附属品の手配と仕入れ、サンプルの作成、量産縫製、納品までを一貫して引き受けています。
製造依頼は大手アパレルメーカーの有名ブランドから数人の小規模事業者までさまざまですが、依頼主の企画を理解してプロの目からの的確な縫製提案ができ、それを熟練の職人の技術で製品化できるのが同社の強みです。加えて、対応の速さと仕上げのクオリティの高さが、縫製パートナーとしてのオフィスホドタへの高い評価を育てています。
そうした評価の裏には、本社の営業担当が毎日工場の現場に立って、顧客の要望や指示を直接職人に伝えていることがあります。特に、狙い通りのサンプルを1日で作成できるという仕事の速さは、時間との勝負がかかるアパレルメーカーにとって頼もしい限りなのです。





こうしたOEM事業を展開する一方、同社は一昨年オリジナルの抗菌防臭Tシャツを開発し、これを自社ブランド『BANZAY(バンザイ)』の第一弾としてネットショップで販売を開始しました。ワキガなど体臭の悩みを解決する、汗消臭、ワキガ臭抗菌防臭、吸水速乾の3機能を併せ持ったTシャツで、同社が素材の糸から開発したものです。
2020年1月、同社はこのTシャツを、年2回フィレンツェで開催されるメンズファッションの展示会、PITTI IMMAGINE UOMO(通称:ピッティ・ウォモ)の『TOKYO KNIT』ブースにサンプル出展しました。『TOKYO KNIT』は東京ニットファッション工業組合が立ち上げたブランドで、ニットの新しい可能性を東京から世界に発信するものづくりのプラットフォームです。同社はその第1回認証企業17社の1社として活動しています。
また、今年マスクが必要不可欠な状況となる中、このTシャツの生地を使って肌触りの良い抗菌防臭布マスクを生産し喜ばれました。『BANZAY』では現在、この素材を使ったインナーパンツの商品化を進めるほか、高品質でオリジナルなベーシックTシャツシリーズの展開を計画しており、OEM事業に続く第2の事業として自社ブランド事業を育てていこうとしています。


自社工場で育つメイドインジャパンの技術とクオリティ

  • 圧倒的なスピード

    近距離に工場があり、生地とパターンの支給があれば翌日までのサンプル作成・納品が可能という、圧倒的スピードでアパレル業界の動きに応えます。

  • 工場連携のクオリティ

    毎日営業担当が縫製現場に入って工程をチェックし、お客様の要望を直接職人に伝えることで、現場と連携した高いクオリティを実現します。

  • 自社ブランドによる開発

    抗菌・防臭・速乾機能を持つ生地により、体臭の悩みを解決するTシャツを自社ブランド『BANZAY』で商品化し、今後の展開を計画しています。

失敗を恐れずにやる。大事なのは失敗を次に生かすこと

「3年前までアパレルのOEM業界は工場同士で値段をたたきあう状態だったのですが、撤退するところが多く出てたたきあいが収束して、今残っているのはきちんと仕事ができるところです」
そう話すのは、オフィスホドタ社長の程田裕二氏の長男で同社営業部長の程田裕平氏です。
裕平氏が同社に加わったのは9年前の28歳。大学を卒業して総合商社に入社して衣料部門で3年、その上司が興した業界関連の会社で3年の経験を経ての入社でした。
「両親が衣料系の仕事で、自然と就職はアパレルメーカーを目指したのですが、大学3年の時に会社の事務を手伝っていたら取引先の商社の人が来て、“メーカーは付き合う人が限られてしまう。アパレルをやるなら商社のほうが面白いぞ”と言われてその商社に入社することにしたのです」(裕平氏)
6年間の経験は面白く勉強になり、業界の裏舞台を広く知ることになりました。



裕平氏の入社後、同社は新たに茨城県猿島郡に工場を開設する一方で、北海道の工場と中国にあった工場を閉鎖して国内生産体制を固めました。日本のニット衣料発祥の地である墨田区に本社を置き、その伝統を引き継ぎながらメイドインジャパンにこだわっていく姿勢を明確にしたといえます。
そうした中で裕平氏は新規取引先の開拓に力を入れ、3年前には業界でも注目のあるアパレルメーカーとの契約を獲得しています。
「設立5年という超短期で株式公開を果たしたアパレルメーカーさんで、急成長していると聞いて渋谷の本社に飛び込みで売り込んだのです。日本製にこだわっている会社で、当社と考え方が共通するところがあり、大事にしていきたいお客様です」
と、裕平氏は、この新しい取引先が掲げる“日本発ファッションスタイルを世界へ”という理念に強く共感しています。そしてさらに、オフィスホドタが掲げるのは“あくなきチャレンジスピリット”。
「何でも失敗を恐れずにやる。失敗してもいい。大事なのはそれを次に生かすことです」
裕平氏は自身と同社が掲げるビジネスの姿勢についてそう熱く語ります。

日本国内に限らず世界のOEM縫製メーカーを目指す

OEMの繁忙期と閑散期の差をどう埋めるかが課題だ、と裕平氏は言います。カットソーという製品の性質上、春夏物を生産する繁忙期に対して、秋冬物の時期は閑散期となりがちです。ヨガ用ウェア、ゴルフウェアなど、季節にかかわりなく受注できる製品もありますが、繁閑の差を埋めるには遠いといえます。
「そこで、年間の安定した稼働への方策の1つとして、自社ブランド製品の開発を考えました。季節の影響を受けない自社製品があれば、工場が空いているときに有意義に稼働させることができます」
と裕平氏が話しますが、“フロンティアすみだ塾”に通ったことが自社ブランド『BANZAY』開発の契機となったようです。“フロンティアすみだ塾”は、墨田区内の若手経営者・後継者を対象にした1年コースのビジネススクールです。



「すみだ塾では意識改革ができました。アパレル業界ではない人たちと経営を論じ合って、ブルーオーシャンでの商品開発をやろうなどと話しました。それで、すみだ塾を卒業した年に『BANZAY』の開発に取り組んだのです。今までにない機能性生地を織ってもらうのに生地屋さんを何社も回っては断られましたが、最後にやっと1社引き受けてくれるところが見つかりました」(裕平氏)
『BANZAY』のTシャツは、ワキガ臭という他人には言いにくい悩みを解決するコンプレックス商材です。まだ競合商品がほとんどないブルーオーシャン市場を狙った商品開発で、失敗を恐れずにチャレンジする同社の意気込みを示した商品開発でもありました。
「まだ結果は出ていませんが、昨年から同じ生地で男性用・女性用のインナーパンツの製造も始めています。今年は『BANZAY』への入り口的な商品としてベーシックなTシャツシリーズを作ろうと考えています」
と、裕平氏は、力を入れている自社ブランドの育成を楽しそうに語ります。プロモーションのためにモデルを呼び、プロカメラマンに撮影してもらい、使う写真を数千枚から選ぶのは、自社ブランドならではの楽しさだと微笑みます。
そんな裕平氏が語る、同社がこれから目指すべきことは次の3つです。
「1つ目は、社員が能動的に動けて誇りを持って働ける会社にするということ。私も偉そうにしないで、工場の現場でみんなとフランクに話しをすることを大事しています。2つ目は、自社主導の売り上げを作ること。自社製品比率を高め、工場の閑散期を埋めることです。そして3つ目は、日本国内に限らず世界の一流メーカーのOEMを受注する会社になること。そして世界へ『BANZAY』を販売することです」
メイドインジャパン、メイドインすみだの誇りを持ってものづくりを続けていくオフィスホドタです。

動画で見る「有限会社オフィスホドタ」

≪ PICKUP企業特集一覧に戻る

連絡先

住所〒130-0015 東京都墨田区横網1-12-28
TEL03-3626-5451
FAX03-3626-5452
Emailメール送信
担当者程田裕平
会社紹介 PICKUP特集