株式会社ジンジャーアップ

ジンジャーアップ

[業種]大分類:製造業 中分類:その他 小分類:他に分類されない製造業

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学習管理と人材開発のビッグデータプラットフォームを構築

eラーニングの学習管理システムの開発

ジンジャーアップは、「学びが元気と喜びをつくる~Learning Makes Us Feel Good!~」をモットーとしている、教育+ITのソリューションサービス企業です。社名の元になった「ginger up」には、ショウガの刺激で元気づけるという意味があります。IT技術を通して学びの楽しさを伝え、世の中に活力をもたらすことを目指してこの語を選び、社名を「Ginger App」としたそうです。
働き方が大きく変わる中で、企業をはじめとした各組織にとって、人材が高いパフォーマンスを発揮できるようになる教育環境の構築が大きな課題になっています。同社のソリューション事業は、この要請に応えるための、eラーニングの学習管理システムの開発と教育・人材開発のプラットフォーム構築サービスを提供するものです。
同社は小規模企業なのですが、そのサービス導入実績には中央省庁はじめ大手企業、各種教育機関の名前が連なっています。では、同社の学習管理ソリューションを導入することでどんなことが可能になるのでしょうか。

*1:eラーニング(eLearning)とは、インターネットを利用してパソコンやモバイル端末を使って行う学習形態で、集合研修のような時間と場所の制約を受けにくいメリットがある。



例えば企業であれば、まずeラーニングの統合した運営が可能になります。動画を含めた多様なeラーニングの教材コンテンツを一元管理でき、社員それぞれに合わせて受講を推奨する講座や研修コースを提供できます。社員から見ると、eラーニングのポータルサイトにログインすると受講可能な講座のタイトルが一覧で並んでいて、指示された講座や自分で受けたい講座を選んで受講を開始できます。
システムではこの学習履歴を詳細に記録します。履修中か修了か、受講の回数、時間、進捗率、テストの得点、誤答箇所、記述式回答、合格・不合格などの記録で、これは本人も確認できます。
ここまでは従来の学習管理システムでも可能でしたが、同社のシステムが先進的なのは、扱うデータや情報がeラーニングの枠を超えているところにあります。eラーニングでの情報に加え、集合研修や実地トレーニング・OJTなどでの受講者の行動、および、その評価、年間を通しての実務成果等々、広い学習履歴・経験履歴のデータや情報も取り込み、それらを分析することで詳細に受講者の状況を把握できます。これにより、社員一人ひとりのレベルと実情に合わせた学習コンテンツや研修トレーニングのコースを提示できます。
また、VR(バーチャルリアリティ)コンテンツにも対応していて、トレーニングや学習の機能を持たせたVRの詳細な疑似体験履歴を取得し、分析、評価することができます。






この学習管理システムとそのプラットフォームは、企業や官公庁の人材育成だけでなく、ビジネススクールや学校、予備校、学習塾での利用も進んでいます。昨年12月には大手予備校の河合塾が、この学習管理システムを導入してまったく新しいWeb教育サービス「河合塾One」を開始したと発表しました。
これは、スマホアプリを使って空き時間にどこででも学習できる高校生向けのネット塾で、受講生一人ひとりのテスト結果や学習履歴をAIを活用して分析し、授業や練習問題など約1万点の学習コンテンツから一人ひとりに合ったカリキュラムを構成して配信するサービスです。
この学習管理システムでは、国際的に決められた標準規格に準拠したステートメント定義に従って、情報を統一された記述形式でデータベースに登録します。この統一形式を守れば、学習履歴のデータに限らず、人事情報システムなど他のあらゆる業務システムの情報、アンケート、動画視聴、VRによるトレーニング、ウェアラブルデバイスからの情報も登録して、相関を分析することが可能です。つまり、人材開発のためのビッグデータ活用基盤になる可能性があるということ。ここが同社にとっての一番大きな将来性を秘めた部分と言えるのです。



あらゆる経験の統合管理・分析への技術力

  • 学習履歴の活用サービス

    学習履歴を活用して人材開発、スキルアップを促進する他にないサービスを開発、提供します。大手企業の製品やサービスとの連携も拡大しています。

  • 日本唯一xAPI準拠システムを独自開発

    xAPIは、あらゆる学習経験を記録し活用するための次世代世界標準規格です。同社は日本で唯一、ADLから公式の認証を得たxAPI準拠xRS(LRS)を構築し、関連システムを提供しています。

  • ビッグデータで人材開発

    同社は、現在はまだ他にない、人材開発の分野でのビッグデータを取り扱うプラットフォームを構築し、サービス提供することができます。

日本で唯一の国際標準規格xAPIに準拠するシステム

「ADL(*1)からxAPIがリリースされる前の2012年、当社は独自にSCORM(*2)の次世代バージョンを考えていました。人材育成に寄与する割合は、教材学習や集合研修よりも、日ごろの実務や生活での学びや経験のほうがずっと大きいのですから、効率的な育成を図るには、学習履歴だけでなく経験値と行動履歴といったものを集めて分析する必要があると考えていたのです」
ジンジャーアップの代表取締役、井手啓人氏はこう話します。同社を含めて人材教育業界では長年、SCORMに準拠した多くのeラーニングのサービスが提供されてきましたが、学習履歴の管理中心のシステムであることや、ICT環境の高度化への対応や、スマートフォンとSNS、動画への対応の遅れで旧さが見えていたのです。



そして、同社がSCORMからの脱却を考え始めた翌年の2013年、ADLから、最新のIT技術を活用して多様な学習履歴を集約できる次期規格としてxAPIがリリースされたのです。 「私はすぐにこれに賭けようと決めました。そこでxAPIに準拠したシステムの開発に取り掛かったのですが、xAPIの仕様書は詳細なものではなかったので、ADLの認証が得られるプラットフォームの開発には時間がかかりました」
xAPIの履歴データベースであるLRS(Learning Record Store)は、xAPIの最新バージョン仕様に従って構築する必要があり、ADLが提供するテストツールで1300項目以上の自動審査にパスしなければなりませんでした。
「2016年にやっとADLの認証を得ることができましたが、日本の企業としては最初の認証となりました。現在も認証は世界で20社弱しかなく、日本では当社が唯一で、アジアでも当社だけです」
と井手氏は胸を張ります。

*1:ADL(Advanced Distributed Learning)は米国国防総省内の標準化組織
*2:SCORMは学習履歴管理を行うための教材コンテンツと学習管理システム間のやりとりの標準規格。2001年にADLにより制定された。

ビッグデータとAIの時代に適合するプラットフォームへ

同社ではxAPIに準拠したデータベース(LRS)開発に成功し、これを同社独自のxRS(Experience Record Store)としました。現在、このxRSを中心に置いた、学習管理と人材開発のためのシステムプラットフォーム構築が、同社の今後の事業のベースになっています。
このプラットフォームでは、上でも述べたように、学習者それぞれの学習履歴をはじめ、人事や営業などの業務システムのデータ、視聴した動画教材からの情報、SNSでの書き込み、ウエラブルデバイスからの情報などあらゆる情報・データが入力可能になります。これを集めて、さまざまな分析ツール、分析システム、記録システムで処理し、その結果を次の学習ステップのレコメンドなどとしてフィードバックすることが可能になります。
「個人がどのような学習経験と経歴を経て、組織と実務でどのような成果を残しているかを明らかにでき、高いパフォーマンスを発揮する人材の育成や、タレントマネジメントと配属シミュレーションなどに活用できるはずです」
と井手氏はこのプラットフォームの可能性を語ります。



すでにお分かりのように、このプラットフォームはビッグデータを扱うプラットフォームになります。分析側には当然AIの利用が見込まれます。
経産省が“2025年の崖”として警鐘を鳴らしているように、多くの企業が長期間使い続けている既存システムではデータ活用ができず、早晩グローバル市場で競争力を失うことになると言われています。井手氏は、この危機的状況に対するのに同社のプラットフォームが有効だと言います。
「2025年には、25年前から使い続けている業務システムが全体の75%になります。そこに蓄積されたデータが、ビッグデータとしての活用機会を失うことが予想されますが、弊社のxRSをベースとしたプラットフォームならばデータ互換が可能になり、データの活用が可能になるのです」(井手氏)
同社では、このプラットフォームの事業の可能性を、「ビッグデータとAIの時代に適合するプラットフォームであるため、その対象となる市場は無限とも言え、成長の可能性は非常に大きいと見ています。人材教育業界という枠を越えて拡大させていくことを計画しています」と説明しています。

【ジンジャーアップ】VRトレーニング【ご紹介動画】

テクノシティすみだ PICKUP企業特集 vol.72 「ジンジャーアップ」

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